山梨学院・吉田洸二監督の長女・真由さん 夏の終わり、半日だけの父へ「また頑張ろうね」

[ 2023年4月2日 05:05 ]

第95回選抜高校野球大会最終日・決勝   山梨学院7-3報徳学園 ( 2023年4月1日    甲子園 )

勝利の瞬間、喜ぶ長女の真由さんとその孫の陽大(はると)君(家族提供写真)
Photo By 提供写真

 【素顔で君にアイラブユー】高校野球史に新たな一ページを刻んだ父と兄が見える。山梨学院の吉田洸二監督の長女で健人部長(26)の妹でもある真由さん(24)は一塁側の内野席で歓喜の瞬間を迎えた。鳴りやまない拍手と歓声。吉田監督にとって孫にあたる1歳の息子・陽大(はると)くんを抱きながら、2人に大きく手を振った。

 「本当に凄い。勝てない時はプレッシャーがあったと思います。普段の姿を見てきたので凄くうれしい」

 幼少期から平日も休日も関係なく父はいつもグラウンドにいた。05年夏に長崎の県立高である清峰を甲子園出場に導き、真由さんが中学生だった13年からは山梨学院の監督に就任し、佐世保市の実家を離れて単身赴任に。普通の家庭環境とは違い、寂しさを感じることも多かった。

 大切な思い出は小学生時代。毎年の夏に1日だけ一緒にプールに行く日があった。野球部が夏の大会に負けた翌日の午前中だけ、パパとなる。午後からは新チームを率いる監督に戻るからだ。野球が父を解放してくれる、わずかな時間。「それが毎年の楽しみ。小さい時の大切な思い出です」と笑う。

 小学生で始めたバレーを清峰高校を卒業するまで続けた真由さん。自身もスポーツに青春をささげたことで野球にのめり込む父の気持ちが理解できるようになった。優勝を決めた瞬間、大歓声に驚いて目を覚ました愛息を抱きしめ、自慢の父にメッセージを送った。
 「夏に向けて、また頑張ろうね。応援しています」(柳内 遼平)

続きを表示

この記事のフォト

2023年4月2日のニュース