阪神ドラ2・門別啓人 ライバルからバッテリーに…投手として成長させてくれた「一番大切な」球友

[ 2022年12月1日 05:15 ]

阪神新人連載「七人のトラ侍」ドラ2、東海大札幌・門別(2)

東海大札幌でバッテリーを組んだ門別(右)と唐川
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 門別は父・竜也さん(39)の影響で、物心ついたときから野球のとりこだった。自宅前での父とのキャッチボールが原点で、当時から左利き。竜也さんは、その姿から天性の素質を感じ、投手をやらせると決めた。日高富川小1年から富川野球スポーツ少年団で本格的に野球を始め、小6でファイターズジュニアに選出。NPB12球団ジュニアトーナメントで3位に輝いたチームで、後に東海大札幌でバッテリーを組む唐川侑大と初めて出会った。

 当時は互いに投手。ライバルとして意識し合う仲で、別の中学校に進学した後も連絡を取り合い続けた。「中学の時から(高校では)お互い同じチームに入ってやろうと言っていた」。両者ともに東海大札幌からの誘いを受け、念願かなって再びチームメートに。エースの座をかけ、互いに切磋琢磨(せっさたくま)する日々を思い描いていた。

 「ファイターズジュニアの頃から投手としてライバル関係だったので、入った頃から唐川には負けないっていう気持ちをずっと持ってやっていた」

 転機はすぐに訪れる。「プロに行かせるため」という大脇英徳監督(47)の提案で唐川が1年生の8月に捕手へと転向。競い合ってきた好敵手とバッテリーとしてコンビを組むことになり、同年秋からともに1桁の背番号を背負った。

 「バッテリーになるとは思っていなかった。どこのコースが打ちにくいとか、キャッチャー視点でいろいろ指摘してくれたので、投手として成長できる糧になった」

 唐川も野手を背中に背負う投手と違って全体が見える捕手の立場を生かし、まさに“共同作業”で互いを高め合ってきた。

 「唐川がいないと、自分はここまでのピッチャーになっていなかったと思う。自分にとって選手の中で一番必要な存在だった」

 ともにプロ志望届を提出。門別が阪神からドラフト2位で名前が呼ばれた一方、指名がなかった唐川は大学進学で再びプロを目指すことを決意し、球友への思いを明かした。「今まで接してきた野球選手で、一番大切にしているし、刺激をもらってきた。今までもそうだし、これからもずっと意識したり、目標になる。場所は変わっても、一緒にやっている意識を持ってできる大切な存在」。4年後のプロでの再会を新たな目標とし、2人の物語はまだまだ続いていく。(阪井 日向)

 ◇門別 啓人(もんべつ・けいと)2004年(平16)7月10日生まれ、北海道日高町出身の18歳。富川小1年で富川野球スポーツ少年団で野球を始め、小6でファイターズジュニアに選出。富川中では軟式野球部。東海大札幌では1年秋からベンチ入り。3年夏の南北海道大会は準決勝・知内戦でヤクルト4位指名の坂本拓己と投げ合い敗戦。1メートル83、86キロ。左投げ左打ち。

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