日本ハム・加藤貴 6200万円増で初の大台突破「全ての人に感謝したい」単年契約で来季も勝負だ

[ 2022年12月1日 06:00 ]

エスコンフィルードのマウンドを指さす加藤貴
Photo By 代表撮影

 日本ハムの来季開幕投手の加藤貴之投手(30)が30日、札幌市内の球団事務所で契約更改交渉に臨み、6200万円増の年俸1億3500万円でサインした。今季は2年連続で規定投球回に達し、8勝7敗1ホールド、リーグ3位の防御率2・01を記録した。

 初の大台突破。年俸の話題となると、ポーカーフェースの加藤貴の表情が少しだけ緩んだ。「裏方さんをはじめトレーナーの方、コーチの方、全ての人に感謝したい。僕1人で取った金額ではない。入団当初はいつまで野球をやるのかな…とがむしゃらにやっていたけど、億を超えたのはうれしい」。周囲への感謝も忘れない左腕の言葉に実感がこもった。

 今季の加藤貴を語る上で欠かせないのが、抜群の制球力だ。7月に新型コロナウイルス感染と腰痛で1カ月間離脱したが、147回2/3を投げ、2年連続規定投球回に達した今季の与四球はわずか11。ストライク率71・5%は今季1500球以上投げた投手の中で12球団トップの制球力で、50年に野口二郎(阪急)が記録した14を抜き、規定投球回到達者の最少与四球記録を72年ぶりに更新した。

 「ストライクゾーンでどんどん勝負ができた。一緒に組んだ捕手のおかげ」と謙遜するが、WHIP(1イニング当たりに許した走者の数)0・91は、投手部門4冠のオリックス・山本の0・93を上回ってリーグトップ。抜群の安定感が光った。

 順調ならプロ8年目の来季中に国内FA権を取得予定。球団から複数年契約を提示されたが、断って1年契約を希望した。加藤は3年続けて成績を残してこそ一人前との考えがあるため「3年間活躍してから考えたいと思っていた。もう1年勝負したいと思った」と、まずは開幕投手を務める来季に集中する考え。「現状に満足していない」という左腕は、初の2桁勝利を達成して左のエースの称号を確固たるものにする。(東尾 洋樹)

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2022年12月1日のニュース