オリックス森、球団史上初の全試合先発マスクへ意欲 中嶋監督の下でさらなる成長誓う

[ 2022年11月27日 05:00 ]

入団会見で背番号4のユニフォームを着てガッツポーズを決める森(撮影・後藤 正志)
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 国内フリーエージェント(FA)権を行使して西武からオリックスに移籍した森友哉捕手(27)が26日、大阪市内で入団会見を行った。4年総額18億円以上の評価で地元に帰ってきた「打てる捕手」。球団史上初となる捕手での全試合スタメン出場に意欲を示し、同じ捕手出身の中嶋監督のもとでの飛躍を誓った。

 臨戦態勢は整っていた。故郷に凱旋した森は「ホッとしています」と笑ってから、すぐに表情を引き締めた。

 「正捕手の若月、(トレードで)石川も入ってきて、正捕手争いになると思うが、一試合でも多くマスクをかぶることに意味がある。できれば全試合かぶるくらいの気持ちでやる」

 捕手での全試合スタメン出場なら球団史上初、全試合出場に限っても51年山下健以来2人目となる。中嶋監督は20年途中の就任後、先発投手のタイプに合わせて捕手を起用してきた。森が目標に掲げた偉業実現には、若月が主に女房役を務めてきた、エース山本とのバッテリー結成が絶対条件。コミュニケーションを図り、イメージを膨らませていく。

 「球宴で何回か話したけど、コミュニケーションを取らないと。(どうリードするか)イメージしたことはなくて、対戦イヤやなあと思っていましたから。(味方になるのは)むちゃくちゃ心強い」

 背番号は4。今季引退した名捕手で、18年の日米野球で対面した憧れのモリーナ(カージナルス)が付けた番号だ。「モリーナ選手が付けた番号だし、うれしい。もちろん自分の一番の武器はバットだと思うが、今まで積み上げてきた守備面もよく見てもらいたい」。メジャー移籍が濃厚な吉田正の穴を埋めるだけでなく、攻守両面で存在感を示す構えだ。

 小6時にオリックスJrで12球団ジュニアトーナメント優勝。大阪桐蔭では阪神・藤浪とのバッテリーで甲子園春夏連覇した。「ちっちゃい時からなじみのある球団。中嶋監督の下で、自分ももっとレベルアップできると思った。3連覇に貢献できるように」。球界屈指の打てる捕手が、オリックス浮沈の鍵を握る。(湯澤 涼)

 ○…オリックス捕手の全試合出場は阪急時代の51年、山下健がシーズン96試合すべてに捕手で出場した1度だけ。ただし先発マスクは93試合で、3試合は途中出場だった。シーズン全試合に捕手で先発出場すればチーム初。両リーグでも10年の城島健司(神)144試合以来になる。

 ▽オリックスの背番号4 今季はバレラが使用。18~21年は福田が背負った。前出バレラのほか近年ではヘルマン(14、15年)、モレル(16、17年)、阪急時代にはバルボン(62~64年)、マルカーノ(75~82年)ら外国人選手が多く背負った番号でもある。他球団も含め、守備番号から二塁手が使用するイメージが強く、2000年以降で捕手の使用は10、11年の清水将海(ソ)以来2人目。オリックスでは阪急時代の56~61年岡田豊以来62年ぶりと珍しい。

 ◇森 友哉(もり・ともや)1995年(平7)8月8日生まれ、大阪府出身の27歳。大阪桐蔭では2年春から4季連続甲子園出場し、2年時は正捕手として春夏連覇。13年ドラフト1位で西武入団。19年に打率.329で首位打者を獲得し、リーグ優勝に貢献。MVPに輝いた。18、19、21年ベストナイン。1メートル70、85キロ。右投げ左打ち。

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