「また、甲子園で会おう」甲子園塾最終日 選抜確実の英明監督に智弁和歌山監督「1回戦で当たりそう」

[ 2022年11月27日 18:53 ]

走塁指導を行う智弁和歌山・中谷仁監督(27日、神戸学院大付グラウンド)
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 日本高校野球連盟の高校野球・甲子園塾は27日、3日目の最終日を迎え、神戸学院大付グラウンドで走塁、ノック実践など2泊3日の日程を終えた。

 塾長の山下智茂さん(77=星稜名誉監督)はコロナ禍で3年ぶりの開催に「久しぶりで僕自身に不安があった。眠れずに迎えた甲子園塾だったが、やってみると不安は吹っ飛んだ」と話した。全国から集まった指導歴10年未満の若手監督、部長21人から「3日間、質問攻めにあった」。多くの指導者が部員不足や練習環境の不備など内部事情を抱えていた。

 「何しろ野球ができる喜びがある。わたしの持てるものをすべて教えてやろうと奮いたった」

 閉講式では一人一人に修了証を手渡した。2008年に始まった甲子園塾はすでに600人以上の指導者が受講。甲子園出場を果たした者も20人を超える。「これまで何度も“塾長、やりました! 甲子園です!”という電話の報告に感激してきた。皆さんからの報告を楽しみに待ちたい」

 特別講師を務めた元高知商監督で日本高野連技術・振興委員の正木陽さん(62)は「皆さんの熱意が伝わってきた。いろんな悩みがあるようで、答えは出せないかもしれないが、少しでも問題解決に近づけるように努めた」と話し、「高校野球はやはり素晴らしい」と再認識した。

 同じく特別講師の智弁和歌山監督、中谷仁さん(43)は「私自身、監督としてまだ5年目。皆さんとともに勉強させていただいた」と話した。

 受講生で最年少だった大聖寺実(石川)の南辰之介監督(27)は監督3年目。就任直後からコロナ禍で活動が制限されてきた。「動画で生徒と交信したり、試行錯誤を繰り返してきた。しかし今回、情熱をもってやること、本気でぶつかっていくことの大切さを学んだ」

 英明(香川)の香川純平監督(37)は開催見送りとなった2020年から参加を申し込んでいた。今秋の四国大会で優勝し、来春の選抜出場が確実となった後の甲子園塾だった。父親の香川智彦さん(64)は同校監督として春夏5度の甲子園に導いている。

 「甲子園と言われましても、わたし自身は初めてで、まだ何も分かりません。今は3日間、生徒たちと離れていましたので、早く帰って学んだことを伝えたい」

 閉講式では同じく選抜出場が確実な智弁和歌山の中谷監督から「なんか1回戦であたるんちゃうかなあ」と声をかけられ、笑いあった。(内田 雅也)

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