仙台育英ナインが白河神社参拝へ 今夏に東北勢初の日本一 深紅の大優勝旗の「白河の関越え」を達成

[ 2022年11月27日 00:00 ]

夏の甲子園で初優勝した仙台育英
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 今夏の甲子園で優勝し、東北勢として春夏通じて初の全国制覇を果たした仙台育英(宮城)ナインが、福島県白河市の白河神社を12月3日に参拝する予定であることが26日、分かった。栃木県と福島県の県境付近にある国指定史跡「白河関跡」近くにある同神社。97年からは春夏甲子園に出場する東北6県の代表校の健闘と、甲子園での東北勢初優勝を祈念し「通行手形」を贈るなどバックアップしていた。仙台育英は今夏、東北勢悲願である優勝旗の「白河の関越え」を果たした。

 
 仙台育英にとって、東北にとって、そして高校野球にとって歴史的な瞬間だった。

 深紅の大優勝旗が「白河の関越え」した時刻は2022年8月23日午後2時17分54秒。甲子園の優勝インタビューで「青春って凄く密」と感動的なインタビューをした須江航監督、約30人の選手が乗車した新幹線「こまち25号」。トンネルを抜けたタイミングで福島県白河市にある「白河関跡」の西側を北上して通過した。

 14号車に乗車した選手たちはスマートフォンの位置情報で「その瞬間」を確認し、佐藤悠斗主将らは優勝旗を広げて記念撮影。それから約2時間30分後、仙台市内の同校で取材に応じた須江監督は「あの瞬間、感慨深いものがありました。歴史が本当に変わったんだなと。新幹線で駆け抜けていく感じ。“ここからが東北なんだな”と改めて感じました」と振り返り、「白河神社に行かないといけないですね。お礼参りというか、それはしないといけないと思います」と語った。

 3年生が引退。歓喜の日本一から12日後の9月3日に始動した新チームでも強さは不変だった。秋季宮城大会を準優勝で東北大会進出を決めると、来春の選抜出場のために最低でも4強進出が求められる東北大会で優勝。全国から地区の代表が集結した明治神宮大会では11月21日に行われた準決勝で大阪桐蔭に敗れ、今年の全公式戦が終了。「連覇」の懸かる来春の選抜出場を当確させた上で「白河神社」への参拝が正式に決まった。

 当日は、白河市内でナインによる少年野球教室も開催される予定となっている。優勝の喜びを須江監督はこう語っていた。「大会歌の“栄冠は君に輝く”がありますけど、君っていうのはすべての東北の人だなと思っている。すべての人に栄冠が輝いたと思っています」。歴史的偉業を果たした経験を未来を担う子どもたちに伝える。

◇須江 航(すえ・わたる)1983年(昭58)4月9日生まれ、さいたま市出身の39歳。仙台育英では2年時から学生コーチを務め、3年時に春夏の甲子園に出場。八戸大(現八戸学院大)でも学生コーチを務めた。06年から仙台育英の系列の秀光中軟式野球部監督を務め、14年に全国大会優勝。18年1月から仙台育英監督に就任し、今夏を含めて5度の甲子園出場に導く。情報科教諭。

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