亀山つとむ氏 阪神に今求められているものは何か 残り13試合、同じ攻撃ではチャンスものにできない

[ 2022年9月10日 07:00 ]

セ・リーグ   阪神2-9DeNA ( 2022年9月9日    横浜 )

亀山つとむ氏

 【亀山つとむ 視点】2位と3位の直接対決で大差がついた。流れに一気に乗ったDeNAと、乗れなかった阪神が好対照を描いていた。本来なら追われる側が苦しいはずなのに、阪神の攻撃のリズムが悪すぎた。流れを自ら手放した格好だ。

 分岐点は2回の攻撃にあったと思う。先頭の佐藤輝が右翼フェンス最上段を直撃する二塁打で無死二塁。まだ上茶谷は不安定だっただけに、追加点のチャンス。木浪に求められるのは一、二塁間へのゴロ。抜けなくても三塁に進めれば得点の可能性も高まる場面。だが、逆方向への左飛では試合は動かない。佐藤輝の打球に対するリプレー検証も、相手には一息つける“間”を与えた感じだ。

 3回1死一、二塁も逸機し、佐藤輝が四球を選んだ4回無死一塁でもヒットエンドランの失敗で盗塁死。リスクを取るよりバントを選択すれば、得点はならなくても、次の回は1番からの攻撃だった。これが流れだ。チャンスをしっかり生かせば、藤浪をもっと楽に投げさせることができた。伊藤のボテボテの当たり、佐野の左翼線寄りの飛球が安打になり、2度の暴投で点を失う。流れをつかむのは難しいが、失うのは一瞬だ。

 残りは13試合しかない。Aクラスを死守し、CSを勝ち抜くためにも、1点をいかにもぎ取るかという野球に徹するしかない。ここまで点が取れない野球(零敗)を24回もしてきた。同じパターンの攻撃を繰り返していては、チャンスを自分のものにすることはできない。今、求められるのは、きれいな野球、理想の展開ではなく、勝つ野球。それしかないのだ。

 10日は高卒ルーキーの森木が先発。援護は不可欠だ。勝てば再びDeNAとは4差。負ければ6差となる正念場。ただ打つだけではなく、いかに点に絡ませるかがポイント。工夫がないと流れはつかめない。(本紙評論家)

続きを表示

2022年9月10日のニュース