サヨナラ負けの京都国際・森下 笑顔で「プロ一本」明言 近江・山田との投げ合いはプロで!

[ 2022年8月7日 04:03 ]

第104回全国高校野球選手権大会第1日・1回戦   京都国際5-6一関学院 ( 2022年8月6日    甲子園 )

<一関学院・京都国際>11回1死2塁、サヨナラ負けの悔しさを押し殺し、守備から引き上げる京都国際・森下(撮影・岸 良祐)
Photo By スポニチ

 第104回全国高校野球選手権大会が6日、3年ぶりに一般客が入場して開幕し、1回戦3試合が行われた。京都国際は一関学院と延長11回の激闘を演じたが、サヨナラ負け。先発して3回4失点だった今秋ドラフト候補・森下瑠大(3年)は進路を「プロ一本」と明言し、次なる高みを見据えた。

 チームの苦境を救った笑顔を最後まで貫いた。京都国際・森下は、投げては先発して3回4失点で降板。それでも4番打者として1安打を放ったが、勝利には届かなかった。延長11回の末、敗戦。サヨナラ打を浴びて涙する右腕・松岡凜太朗の肩を、笑って抱いた。負けたのは悔しいが、それ以上に最後までやり切った、すがすがしさもあった。

 「思い通りにいかなくて苦しい時期が長かったですが、試合をしている以上は、甲子園という舞台で楽しむことを心がけてやっていたので、自然と笑顔が出ました」

 昨年、春夏の甲子園ではポーカーフェースを貫いた。「下級生で先輩に遠慮していた」というのもあるが、投手だからこそ感情を表に出さないことを心がけていた。だが、今春選抜を新型コロナウイルス集団感染で辞退したことが、転機となった。沈むチームを浮上させるために、思いついたのが「笑顔」だった。「そこからチームの雰囲気も良くなっていった」。チームの大黒柱。近江との6月の練習試合も刺激となったが、本来は“笑わない男”が放つ輝きも、ナインを先導した。

 5月に左肘を痛め、投球練習再開は7月半ば。状態は「60~70%」で、本調子ではなかった。とはいえ辞退の悲劇を乗り越え、再び聖地で試合ができたことに意味があった。笑顔で高校野球に別れを告げ、次なる目標に視線の先を切り替えた。進路について問われると「プロ一本でいこうと思います」とプロ志望届提出を明言。楽天・松井裕樹に憧れる左腕は将来の目標に侍ジャパン入りを掲げた。

 物心ついた頃、母・愛子さん(44)が上げるボールで行うトス打撃が楽しすぎて、保育園を1カ月も欠席するという“伝説”も残したほど、根っからの野球好き。近江・山田陽翔(3年)と約束した聖地での投げ合いは高校ではかなわなかったが、プロの舞台で実現させるつもりだ。 (北野 将市)

 ◇森下 瑠大(もりした・りゅうだい)2004年(平16)9月19日生まれ、京都府福知山市出身の17歳。昭和小1年から昭和ガッツで野球を始め、南陵中では福知山ボーイズでプレーし、全国大会出場。京都国際では1年秋から主戦を務め、2年時に春夏連続で甲子園に出場して夏4強。1メートル80、75キロ。左投げ左打ち。

続きを表示

2022年8月7日のニュース