育成出身5年目の苦労人オリックス・東 プロ初勝利で「めちゃくちゃ、ええ人」中嶋監督に恩返し

[ 2022年8月7日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス3―1日本ハム ( 2022年8月6日    京セラD )

<オ・日>プロ初勝利を上げウィニングボールを手にポーズを決める東(撮影・後藤 正志)
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 オリックス・東は中嶋監督に荒々しく頭をなで回され、とびっきりの笑顔を浮かべた。5回1/3を1失点。プロ2度目のマウンドで初勝利。その記念球を手に喜びを爆発させた。

 「うれしいです。最初は力みがあったけど、回を重ねるごとに自分らしく投げられた」

 初回2死一、二塁で今川に左越え適時二塁打で先制されたが、修正した。最速153キロの直球にチェンジアップ、スライダーを織り交ぜて要所を締めた。

 「支配下に上がるところから始まり、5年かかったので長かったです」。17年の育成ドラフト2位で神戸弘陵から入団。20年オフ、21年オフも自由契約から再契約と2度も契約を結び直し、たどり着いた舞台だった。

 成長を支えたのが2年目の19年から2軍の指揮を執った中嶋監督だ。入団当時は体重73キロで細身だったが、肉体強化し83キロに増量。常時150キロ超の直球を身に付けて飛躍した。帰省するたび家族に「(中嶋監督は)めちゃくちゃ、ええ人。すごいわ」と繰り返した。その恩師から「僕が来た時は、まだひょろひょろで、頼りなさ満開やったけどね。よかったです、本当に」と称えられた。

 父・博文さん(48)と小学生時代から二人三脚で臨んだ野球人生。「小さい時から、ずっと練習に付き合ってくれた。前回の試合も、きょうも見に来てくれた。ボールは渡そうと思います」。そんな思いがこもった75球。東がスタートラインに立った。  (湯澤 涼)

 ◇東 晃平(あずま・こうへい)1999年(平11)12月14日生まれ、兵庫県出身の22歳。神戸弘陵では甲子園出場なし。17年育成ドラフト2位でオリックス入り。21年はウエスタン・リーグでチーム最多の5勝。今年7月28日に支配下登録され、同30日のロッテ戦でプロ初登板初先発。1メートル78、83キロ。右投げ右打ち。

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2022年8月7日のニュース