ソフトバンク・武田、408日ぶり復活星 和田直伝チェンジアップさえた「完投意識してやりたい」

[ 2022年8月7日 04:45 ]

パ・リーグ   ソフトバンク9―1楽天 ( 2022年8月6日    ペイペイD )

<ソ・楽14>力投する武田(撮影・岡田 丈靖)                
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 復活だ。ソフトバンクの武田翔太投手(29)が6日、今季初先発し6回0/3を3安打1失点に抑え、408日ぶりの白星を挙げた。和田毅投手(41)から伝授された新兵器、チェンジアップをぶっつけ本番で多投し、楽天打戦を翻弄(ほんろう)した。千賀、大関と主力先発陣が離脱した窮地で白羽の矢が立った右腕が救世主となり、チームは後半戦初の連勝で9カードぶりに勝ち越した。

  新兵器を手にした武田が、昨年7月9日以来の先発マウンドで躍動。7回、先頭の岡島に四球を与えた時点で右手人さし指付近がつり、緊急降板したが6回0/3を3安打1失点。昨年6月24日のロッテ戦以来となる408日ぶりの白星はプロ11年連続星にもなった。

 「うれしいですね。それ以上に疲れました。久々だったので、どこまでいけるかなと思いながらだったけど、あと1イニングいきたかったのが本当の気持ち」

 昨年は1球も投げていないチェンジアップが効いた。109球中の18球を占めた。5回は全て決め球に使い、茂木を見逃し三振。渡辺佳を三直に打ち取ると、炭谷を空振り三振に斬った。球速は130キロ台中盤。150キロ前後の直球、120キロ台のカーブと組み合わせると、相性は抜群だ。打者のタイミングを外し続け、楽天戦は節目の自身通算10勝目となった。

 今季は春季キャンプで広背筋付着部炎、4月には新型コロナウイルスで4日間寝込んだ。出遅れて7月に中継ぎで1軍に復帰。チーム事情で急きょ先発復帰が決まり、7月下旬に「カーブと直球だけでは(打者に)張られる」と、和田から学んだばかりのチェンジアップを、ぶっつけ本番で使った。「握り、投げる感覚を教えてもらった。和田さんだから知っている杉内さん(現巨人投手コーチ)の感覚も聞いて、足したらいいんじゃないかと」。両左腕の「宝刀」を見事にものにした。先発陣の大関が精巣がんの疑いで手術を受け、千賀も新型コロナ陽性で離脱する緊急事態で巡ってきたチャンス。「先発で投げたい思いはあった」と決意の登板で結果を残した。

 チームは後半戦初の2連勝で9カードぶりの勝ち越し。首位・西武と2ゲーム差に接近した。藤本監督は「久しぶりだが試合をつくってくれた。あとは体力面。残り48試合で何とかローテに入ってくれれば」と右腕に期待を膨らませた。

 この日、嘉弥真が3連投するなどフル回転が続いている救援陣を思い、「完投できるように意識してやりたい」と武田。9月には11連戦もある。V奪回へ頼もしい背番号「18」が先発に帰ってきた。(福井 亮太)

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