広島・床田、球宴選出感謝の8回1失点 もう自己最多8勝目も通過点「今年は絶対に2桁勝つ」

[ 2022年7月14日 04:45 ]

セ・リーグ   広島4-1DeNA ( 2022年7月13日    マツダ )

<広・D>力投する先発の床田(撮影・奥 調)
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 広島・床田寛樹投手(27)が13日のDeNA戦で8回1失点の熱投を展開し、自己最多となる8勝目を挙げた。2回以降は得点圏に5度走者を背負いながらも追加点を許さず、粘り腰を発揮した。試合前には監督選抜選手として19年以来2度目の球宴出場が決定。選出御礼と言わんばかりの快投で、チームを1日で3位返り咲きに導いた。

 床田が早くも自己最多の8勝目に到達できた要因には、配球の幅の広さがある。「ツーシームとパームでストライクを取れたので何とかなった」。相手を圧倒するような本来の球威が出ていないことを逆手に取り、変化球を駆使しながら惑わせた。終わってみれば8回106球、1失点。我慢が続いた投球とは裏腹に、涼しげな表情のまま仕事を終えた。

 試合前のブルペン投球の内容は「今年一番悪いぐらいだった」。特に直球の切れが悪かったことから、制球だけは間違えないようにと言い聞かせた。初回2死から佐野に右翼席へ先制ソロを被弾。2回以降も3者凡退に抑えた2、5回の2イニング以外は得点圏に走者を背負いながらも、丁寧に攻め続けて生還を許さなかった。

 「うまく緩急で崩せたかな。点は取られたけど、粘って投げられたことは自分の中でも凄く成長したと思う」

 成長を認められ、3年ぶり2度目の球宴出場が決まった。初出場だった19年は、試合後に大瀬良、鈴木(現カブス)、巨人・丸と焼き肉へ。当時の一番の悩みは右打者より左打者の方が被打率が悪かったこと。前年まで同僚だった丸に「僕の球、打ちやすいですか?」と聞くと、「内角も投げ切れているし、打ちやすくないよ。打たれる時は外角中心だったり、配球も関係しているかもしれない」と返ってきた。夢舞台は内角の使い方を考えるきっかけになった。

 今季は試合前時点の被打率が対右打者・192に対して対左は同・216とほぼ同等。苦手意識は克服したといえる。この日も初回に相手先発で唯一の左だった佐野に真ん中付近の球で被弾すると、内角の使い方を見つめ直した。6回1死二塁では内角を厳しく攻め続けて7球目の内角ツーシームで二ゴロに料理。8回2死二塁では2球続けて内角を見せてから6球目の外角スライダーで空振り三振を奪った。我慢強さの裏には、配球面の成長もあった。

 連敗を止めたのは5度目と頼もしさも増している。「今年は絶対に2桁勝つ」。8勝目は通過点。キャリアハイの記念球は、本拠地での初勝利を味わった秋山に手渡した。(河合 洋介)

 ▼広島・佐々岡監督 (床田について)“おまえは勝てる投手になれる”とずっと言ってきた。直球を含めて全球種を勝負球にできるのが成長したところだと思う。今年は本当に落ち着いていて、配球も自分でも考えながら投げているように見える。

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2022年7月14日のニュース