三菱重工West、粘り強さ武器に都市対抗悲願の初V目指す 中山主将「黒獅子旗を持ち帰られるように」

[ 2022年7月14日 12:21 ]

三菱重工Westの中山将太主将
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 第93回都市対抗野球大会は7月18日から12日間にわたって、東京ドームで開催される。近畿地区から2年連続38度目の出場を決めた三菱重工Westは持ち前の粘り強さを全面に押し出し、悲願の初優勝を目指す。

 「投手中心に守りをしっかりして、最少失点に抑えて少ないチャンスで得点する。そんな接戦をものにできるチームづくりを進めてきました。本戦では予選のように必ず接戦になるので、しっかり勝ちきれるように。自分の力以上のものは出せない。いつも通りプレーすることが大事。まず初戦。全力で勝ちにいきます」

 今季から指揮を執る津野祐貴監督が、目指すべき戦い方を明かしてくれた。近畿2次予選の初戦は日本生命に1―0の辛勝。第2代表決定トーナメントでも、日本製鉄広畑、ミキハウスとの接戦を制し本戦出場を決めた。

 先発陣ではベテランの鮫島優樹、1年目の竹田祐、救援陣には13年目の守安玲緒、元オリックスの金田和之と豊富な投手陣を誇る。僅差の展開を勝ちきる上で大きな勝因となったことは間違いないが、好機にたたみかける攻撃力も持ち味の一つだ。日本製鉄広畑戦では逆転された直後の8回に5安打を集中し再逆転。ミキハウス戦でも2回までに4安打で3点を奪い逃げ切った。優勝したJABA京都大会でも、決勝トーナメントの2試合はいずれも初回に先制。津野監督は勝負強さの要因を、日頃の取り組みにあると分析する。

 「(チャンスでも)平常心を持って、普段と変わらないことをやる。普通にやることがカギ。練習から常に想定しています」
 勝ち負けの以前に、今季はグラウンド内での全力疾走や声出し、ノックの際のカバーリングなどを例年以上に徹底してきた。広島、名古屋、神戸が統合となり今季が2年目。まとまりが生まれ、全員が一つの方向を向いて野球に取り組む。指揮官と同じく今季から新任した中山将太主将は言う。

 「統合2年目を迎え、広島、名古屋、神戸のカベをなくしてコミュニケーション取ってやってきました。Westの一員としてやっている自覚を持つことが大事だと思います」

 第1代表決定トーナメントではNTT西日本に逆転負けを喫したが、一体感があるからこそ落ち込むことはなかった。「第1には進めなかったですが、切り替えてやろうと声をかけあった。次の広畑さんには逆転勝ちできましたし、負けから学べたと思います」。悔しい敗戦も受け取り方次第では、チームの糧になることがある。中山主将の言葉から、ナインの充実ぶりが伝わってきた。


 三菱重工名古屋に入社して、社会人野球のキャリアは今季が通算3年目。遊撃手として堅実な守備を見せるだけでなく、ポジショニングを含めた適切な声かけでも野手陣を引っ張る。上位へのつなぎ役として主に9番を任された2次予選では打率・286をマーク。今季から新たに取り組み始めた「ボールのラインに対してバットをいれる」スイング軌道で、勝利に貢献してきた。

 「まず初戦をしっかり勝ちきる。(2回戦で東京ガスに当たることになれば)リベンジして最終的には日本一。黒獅子旗を持ち帰られるようにします」

 昨年の本戦は2回戦で優勝した東京ガスに敗れた。ともに勝ち進めば、同じ2回戦で激突する。チーム全員が共有する「日本一」への熱き思い。最後まで勝負をあきらめない執念で旋風を巻き起こす。

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2022年7月14日のニュース