広島・森下 35日ぶり5勝 4失点も粘った 気温34度の横浜で“熱投” コイ4連勝で5割目前 

[ 2022年6月26日 04:45 ]

セ・リーグ   広島5ー4DeNA ( 2022年6月25日    横浜 )

<D・広>粘りの投球で5勝目を挙げた広島・森下(撮影・島崎忠彦)
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 広島の森下暢仁投手(24)が待望久しい5勝目を手にした。25日のDeNA戦(横浜)で7回を9安打4失点の粘投。白星は5月21日の中日戦以来35日ぶりで、自身の連敗は4で止まった。打線は2点を追う3回に逆転し、中村健人外野手(25)の2点勝ち越し右前打などで一挙5点。チームは1分けを挟む4連勝で借金1とし、勝率5割復帰が目前に迫った。

 誇り高き右腕。7回4失点では納得できるはずもない。それでも白星を手にした事実は本人はもちろん、巻き返しを図るチームにとっても大きい。交流戦前の5月21日、中日戦以来の5勝目。森下は攻撃陣に感謝しつつ複雑な思いを吐露した。

 「うまくいかずにランナーを毎回出しましたし、野手の方に打ってもらって勝てた試合なので、次はしっかり抑えたいです」

 横浜市の最高気温34度。梅雨なのに、うだるような暑さの中で苦投を強いられた。2回に長短3連打などであっさり2点を献上すると、味方が逆転した直後の3回にも1失点。中盤は粘ったものの、7回には先頭への四球から4点目を失った。

 「勝ったけど、内容は変わっていない…」

 反省ばかりが口を突く。無理もない。交流戦に入って調子は下降線を描き、3戦3敗。前回18日のヤクルト戦でも6回途中4失点で敗戦投手となった。この4試合では投球回25イニングに対し、被安打は実に36本。この日も7回で9安打を浴びた。

 カーブ、チェンジアップの制球に苦しみ、粘るべき要所で甘く入ってしまう現実。第三者に指摘されるまでもなく、本人が一番よく分かっている。並の投手なら炎上不可避の内容。それでも、この日を含む4試合は試合をつくってきた。森下の才能だった。

 「内容的には良くなかったけど、同点、逆転を許さないのはさすが。1つ勝ちが付けばメンタル的に変わってくるでしょうし、この1勝は森下にもチームにも大きいと思う」

 佐々岡監督は、炎天下の中で奮投した右腕を称える。前日24日には、主戦の大瀬良が5月20日以来の勝利を無四球完封で飾ったばかり。翌21日に勝って以来、同じく白星の無かった森下も続き、先発陣の台所には再び光が差しつつある。

 「自分だけがふがいない投球をしているのでしっかりしたい。しっかりゼロで抑えられるようにしたいです」

 DeNA戦は20年10月24日から自身6連勝。チームも4連勝で、今季の対戦成績を10勝1敗とした。森下本来の輝きを取り戻すのに、苦しんでつかんだ5勝目がきっと良薬になる。(江尾 卓也)

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