オリ・由伸 風速14メートル マリンの風読み切った「この感覚、これだ」8勝&防御率1・42無敵2冠

[ 2022年6月26日 04:45 ]

パ・リーグ   オリックス4ー0ロッテ ( 2022年6月25日    ZOZOマリン )

<ロ・オ>初回、好守で荻野を打ち取る山本(撮影・沢田 明徳)
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 ノーヒッター投手の看板にふさわしい快投劇だった。オリックス・山本は、苦手としていたZOZOマリンで8回無失点。リーグトップ8勝目を挙げるとともに防御率1・42とし、こちらも同僚の山岡を抜いて1日でトップに返り咲いた。

 「序盤は風を気にし過ぎて思い切りが足りていないなと。投げながら少しずつ、よくなって“この感覚や、これだ”って。(風は)分かった気がします」

 球場の風速表示は上空14メートル。2回2死から佐藤都に一塁へ内野安打され11イニングぶりの安打を許したが、「マリンの風」を読み切った。直球の最速は156キロを計測。高速フォークも自在に投げ分けた。スライダー回転させて右打者の外角へ逃げるように落とす時もあれば、シュート回転させて逆も突く。ZOZOマリンの通算防御率は3・09と改善してもなお、パ5球団本拠球場ワースト。唯一の難所とも言える球場で快投を演じ、ノーヒッターを達成した前回18日の西武戦から17イニング連続無失点とした。もはや、付け入る隙もない。

 実はあと「1イニング」で偉業だった。ノーヒッターの次登板で完封なら、1948年真田重蔵(大陽)以来74年ぶりで、2リーグ制以降では初の快挙だった。それでもチームの勝利が最優先。8回終了時にベンチで高山コーチから「どうしても、というなら(9回)行かせるけど…」と打診されたが、「お任せします」と笑顔で退きチームを4連勝に導いた。

 今季、完全試合のロッテ・佐々木朗やソフトバンク・東浜、DeNA・今永のノーヒッター投手3人は快挙の次登板で勝ち星をつかめず、勝利投手になったのは山本だけ。日焼けした、たくましい表情で「ここから、もっと全力でいきます」と言い切る姿に、無敵の風格が漂った。(湯澤 涼)

 《球団タイ3戦連続零封》オリックスは22日ソフトバンク戦、24日ロッテ戦での田嶋、山岡の完投に続き、この日は山本、阿部、平野佳の継投で3戦連続の零封。連続試合零封のプロ野球記録は10年中日、11年日本ハムの5試合だが、球団では昨年10月2日ソフトバンク戦から5日の日本ハム戦以来9度目の最多タイ記録になった。なお、チームでオール完投の3連続完封なら71年6月5日東映戦から8日近鉄戦の石井茂雄、梶本隆夫、足立光宏以来だった。また、山本はノーヒットノーランの次戦で完封していれば、48年真田重蔵(大陽)以来74年ぶりで、2リーグ制後初となっていただけに惜しかった。

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2022年6月26日のニュース