西武ドラ4若林 自身初1試合3盗塁で球団新人最速20盗塁 パ新人初の盗塁王狙う

[ 2021年5月23日 05:30 ]

パ・リーグ   西武8―1日本ハム ( 2021年5月22日    メットライフD )

<西・日>初回無死一塁、盗塁する若林(撮影・尾崎 有希)
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 「新スピードスター」を襲名だ。西武のドラフト4位・若林が、2安打3盗塁と躍動。飛ぶようにダイヤモンドを駆け回り、チームを2週間ぶりの勝率5割に導いた。

 「とにかく力まずに思い切り走る」。50メートル5秒8の快足外野手が、初めてのお立ち台で明かした盗塁の極意だ。3盗塁は全て初球スタート。初回、5回にあっさり二盗を決めると、7回2死二塁、4番・中村の場面では虚を突く三盗を敢行し、球場をどよめかせた。自身初の1試合3盗塁で、46試合で20盗塁に到達。71試合かかった17年の源田を抜き、球団新人最速記録となり「こんなに走れるとは思っていなかった。謙虚に今後も走り続けられたら」と端正なマスクをほころばせた。

 名前の「楽人」は雅楽奏者の指揮を執る中心的存在という意味を持つ。トップバッターとして打線を引っ張る男は、グラウンド外でもスピードを見せつける。寮ではドラフト1位の渡部、同6位のブランドンとレーシングゲームの「マリオカート」に興じ「持ち主なので一番速い」と、海や城などさまざまなステージで同期をぶっちぎっている。

 志は高く――。70年を超えるパ・リーグの歴史上、新人盗塁王はいない。「盗塁王は目標です」と言い切る頼もしいニューフェースに、辻監督も「それだけの能力があるから走れる。プレッシャーを与えるという意味で大きな仕事をしてくれている」と目を細める。

 「毎日一生懸命やっている状態。これからもチームのために頑張る」。西武の新型特急「ガクト」が大きな目標に向かって加速する。(花里 雄太)

 ≪新人最多は97年小坂の56≫ルーキーの若林(西)が両リーグ最速の20盗塁到達。パで20盗塁以上の新人は21人目。うち、チームでは17年源田の37盗塁を筆頭に5人目となった。また、この日はチーム46試合目。パ新人の20盗塁到達ペースとしては、10年荻野(ロ)の39試合に次ぐ2位のスピードで、前記源田の71試合を抜く球団最速だ。なお、プロ野球の新人最多盗塁記録は、97年小坂誠(ロ)の56で、チーム54試合目で20盗塁に到達。若林は小坂より8試合も速く、現在のペースなら62盗塁まで届く計算になるが、記録を塗り替えパ初の新人盗塁王に輝くか。

 ◆若林 楽人(わかばやし・がくと)1998年(平10)4月13日生まれ、北海道白老町出身の23歳。白老緑丘小6年時に日本ハムJr選抜入り。駒大苫小牧では1年秋からベンチ入りしたが甲子園出場なし。駒大では4年秋に4本塁打を放ちベストナインに輝いた。20年ドラフト4位で西武入団。1メートル77、72キロ。右投げ右打ち。

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