専大松戸 関東第一を下して関東大会初優勝 転機となった主将交代

[ 2021年5月23日 12:41 ]

春季高校野球関東大会 決勝   専大松戸7―6関東第一 ( 2021年5月23日    山日YBS球場 )

喜ぶ専大松戸の投手(手前)と肩を落とす関東第一の打者(左)=撮影・柳内 遼平
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 春季高校野球関東大会の決勝が23日、山梨県の山日YBS球場で行われ、専大松戸(千葉2位)が関東第一(東京2位)を7―6で下し、初優勝を飾った。

 専大松戸は初回に3点を先制し、3回に1点、5回に2点を奪うなど序盤からリードを広げた。9回は5点を失い1点差となったが、逃げ切った。聖地で得た教訓を生かし関東の頂点に立った。

 今春のセンバツでは1回戦で中京大中京の右腕・畔柳亨丞(3年)に12三振を奪われて完封負け。0―0で迎えた7回2死二塁から左翼へ決勝のランニング本塁打を許した。勝負を決した打球にダイビングキャッチを試みたが、一歩届かず、試合後に大粒の涙を流したのが今秋のドラフト候補に挙がる吉岡道泰(3年)だ。

 持丸修一監督はセンバツ後、主将を石井詠己(3年)から吉岡に変更。1番打者と内野の要である遊撃を務める石井の負担軽減と吉岡の奮起を促すことが指揮官の狙いだった。

 主将になった吉岡は変わった。打順も不動の4番から2番になり、送りバントや進塁打など献身的なプレーが目立つようになった。50メートル走6秒0の俊足・石井と組む新1、2番は小技も長打もある変幻自在な攻撃を見せた。

 畔柳から喫した完封がきっかけとなり、攻撃の改革が進んだ。石井は「打てない時にどうやって1点を取るかが課題だった。春は相手からもらう点ではなくて、自分たちで奪うことを課題にした」と話す。

 実戦形式の練習でヒットエンドランやバントで確実に走者を進める攻撃を磨き、少ないチャンスで得点する攻撃を構築した。関東大会決勝の舞台でも見事に成果を発揮。初回は先頭の石井が三塁手の失策で一気に二塁まで進塁する好走塁を見せるなど、相手の隙をつき、1安打で3点を奪った。8安打で7得点と試合を通してチャンスを確実にものにした。

 エースの最速143キロ右腕の深沢鳳介(3年)は準決勝から登板していない。余力を残して関東を制した専大松戸の夏が楽しみだ。(柳内 遼平)

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2021年5月23日のニュース