改めて感じた「観客」の存在の大きさ 当たり前の光景を再び…不可欠な感染予防への意識と行動

[ 2021年4月30日 09:00 ]

無観客で開催された京セラドーム大阪でのオリックス・楽天戦
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 4月27、28日のオリックス―楽天戦(京セラドーム)は、緊急事態宣言の発令に伴い無観客で開催された。昨季は開幕後しばらく無観客試合が続いたが、不思議と1年前よりも静かに感じた。

 試合中、最も球場内が静まりかえる瞬間がある。投手が投球モーションに入って投げ終えるまでの数秒間。この間ばかりは両軍ベンチの声も止み、耳を澄ませても聞こえてくるのはドーム内の空調の音だけだ。「こんなに静かだったっけ…」。同じ感想を口にするチームスタッフは少なくなかった。直前まで有観客で試合が開催されており、そのギャップが違和感を強くさせたのかもしれない。

 「野球はどうしても野球場で見ていただきたい。それはホームでもビジターでも、どちらのチームの応援であってもいい。球場で見てもらえることで僕たちはやりがいを感じるし、選手の(プレーの)スキルも上がるので」

 楽天・石井監督がこう強調するように、観客はプロ野球におけるもっとも重要な舞台装置だ。久しぶりの無観客試合は、ファンの存在の大きさを改めて感じさせる機会でもあった。楽天・岸は「一人一人が意識して行動しないと何も変わらないと思う。こういう状況になってしまったからには、何とかこれ以上(新型コロナウイルス感染を)拡大しないようにしないと。僕自身も気をつける。ファンのみなさんがまた球場に来て思いきり楽しめるように、今は我慢して過ごしましょう」と呼びかける。

 変異株の猛威が全国で広がっている現状では、東京、大阪、京都、兵庫の4都府県を対象にした緊急事態宣言が予定通り(5月11日)に終了する保証はどこにもない。今後の感染状況によっては対象地域が増える可能性すらある。それを避けられるかどうかは、個々人の感染予防への高い意識と行動に懸かっている。(記者コラム・重光 晋太郎)

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2021年4月30日のニュース