ソフトB・武田、進化の証 カーブに頼らず7回零封2勝 球団単独3位513勝目の工藤監督も絶賛

[ 2021年4月30日 05:30 ]

パ・リーグ   ソフトバンク2ー1日本ハム ( 2021年4月29日    ペイペイD )

<ソ・日>7回を無失点に抑えた武田(撮影・中村達也)
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 先発のお手本だ。ソフトバンクが日本ハムに競り勝ち連敗を4で止めた。武田翔太投手(28)が7回無四球零封の快投で2勝目。中村晃外野手(31)、真砂勇介外野手(26)がソロ本塁打で援護した。工藤公康監督(57)は故・野村克也氏を抜き球団歴代3位となる監督通算513勝。4月本拠地最終戦を白星で締め首位・楽天とゲーム差なしで、30日からオリックス3連戦に臨む。

 武田がチームの連敗を4で止めた。1―0の7回、1死一塁。浅間を一ゴロ併殺に仕留めガッツポーズ。7回無失点と完璧な仕事を終えると笑顔でベンチに戻った。

 「今日で最後かもしれないというくらい、気持ちを込めて投げた」。22日に試合がなかったため15日に先発後、登録を抹消された。2軍戦で調整登板し、これが1軍復帰初戦。結果次第で再度の降格も覚悟し、新たな投球術を駆使した。

 ここまで5割近く占めていたカーブを89球中25球にとどめ、フォーク、スライダーを多投。カーブを狙う打線に的を絞らせずゴロの山を築いた。調整登板での収穫を生かした。

 「ファーム(22日)ではカーブを投げていたところをスライダー、フォークにして、割合を分散させた。それを今日使おうかなと思っていた。2種類でいく時もあれば、広い感じでいく時もある」

 カーブに頼らない投球で日本ハム打線を料理したことが、進化の証だ。

 今季、チームで7回を投げた先発は石川に次ぐ2人目。先発に勝ちが付いたのは6試合ぶりだ。「最近は先発が長いイニングを投げられていなかったので、中継ぎのみなさんを休ませてあげたいと思っていた」。7回以上を投げて無失点は今季、鷹投手陣では初めて。さらに三塁を踏ませず、無四死球となれば文句なしだ。

 「四死球を出してもいいから、まずは(ストライク)ゾーンで勝負しようと。ゾーンで勝負して出したら仕方ないと割り切らないといけない」

 現在、投手陣はリーグワースト2位の124四球。制球に苦しんでいるだけに、工藤監督は「模範になって欲しいですね。直球もカーブも切れが良かった」と笑顔が止まらなかった。

 春季キャンプでは「骨で投げろ」と体の使い方を熱血指導した指揮官は「投手は下半身が使えるだけで全然違うね。本当に良い調整で良い投球をしてくれた」と絶賛の嵐だ。背番号18が、連敗スタートだった9連戦の流れを確かに変えた。

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2021年4月30日のニュース