【槙原寛己 視点】上原、黒田とダブる存在感 変わらぬテンポと変わった「ひねり」

[ 2018年4月1日 09:30 ]

セ・リーグ   巨人8―4阪神 ( 2018年3月31日    東京D )

8回1イニングを抑えた上原
Photo By スポニチ

 本人は試合後に「しびれる」と言っていたが、1点差でも見ていてまるで不安はなかった。なにより、くぐり抜けてきた修羅場の数が違う。1球ごとのテンポの良さも健在で、相手に考える余裕を与えることなく見下ろして投げていた。

 日本流の上原も垣間見えた。メジャーでは投球の際、左足を真上に真っすぐ上げていたが、この日は二塁方向へと「ひねり」を加えていた。オープン戦最後の登板だった3月25日の楽天戦からの変化で、軸足である右足にしっかりと体重を乗せるための工夫。米国より軟らかいマウンドにも対応でき、ボールも低めに集まっていた。

 それにしても、上原が登板した際の球場の盛り上がりは凄かった。ムードが一変し、その裏の岡本の3ランも呼び込んだと思う。ファンはその存在を、16年限りで現役を引退した広島・黒田のように捉えているのでは、と感じた。経験豊富な精神的支柱。レジェンドが風を呼び、巨人は最高の勝ち方をした。

続きを表示

2018年4月1日のニュース