マー 4年ぶりシーズン初登板白星「粘れた」序盤苦闘から修正

[ 2018年4月1日 05:30 ]

ア・リーグ   ヤンキース4―2ブルージェイズ ( 2018年3月30日    トロント )

<ブルージェイズ・ヤンキース>先発し、6回1失点で今季初勝利を挙げた田中
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 ヤンキース・田中将大投手(29)が30日(日本時間31日)、ブルージェイズ戦で今季初登板し、6回3安打1失点、8奪三振、無四球と上々の内容で白星発進を飾った。シーズン初登板勝利は14年以来、4年ぶり。今季の日本人投手の中で初先発となり、幸先の良いスタートを切った。

 初回1死で強打者ドナルドソンから空振り三振を奪っても、田中はしかめっ面でかぶりを振った。2回1死からグリチェクに直球を左中間に運ばれた。この回までに3本の長打を許した。ズレは明らか。ただそこからの修正力が真骨頂だった。

 「初回の時点でこれは違うなと。序盤は全然どうにもならない投球だった」。宝刀スプリットは切れず、軸たる速球系の制球もぶれた。試行錯誤し選別したのが第3の武器であるスライダーだった。

 ソロ被弾後、打者15人に投げた65球中、実に37球がスライダー。オープン戦から完成度を求め、手応えを深めていた。打ち気にはやる打線を外し、時には縦に落としベース上にバウンドさせた。「微調整を重ね、イニングを重ねていくごとに少しずつ良くなった」。2回2死からは圧巻の13人連続凡退で、うち9人の結果球がスライダー。8三振中6つもスライダーで奪った。6回をわずか79球で1失点。4年連続の開幕投手の座は逃したものの、チームを11年以来7年ぶりの開幕2連勝に導いた。

 昨年の開幕戦は3回途中で7失点と炎上した。シーズン全体を見れば元来スロースターターで、初登板は相性が良くない。立ち上がりのズレも例年通りといえたが「自分と闘いながら、何とか粘って投げられた」。そして表情は緩めず、向上心を忘れないのも変わらない。「今日は一つ一つ見ればそんなに良くない。なかなかこれ以下はないと思う。一貫して良いものを出せるように」。どこまでも田中らしく、新たな一歩を踏み出した。(杉浦大介通信員)

 ▼ヤ軍アーロン・ブーン監督 スプリットなど最高の出来ではなかったが、ゲームをつくり少ない球数で終盤まで投げる、成熟した質の高い投球だった。

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