巨人・上原“魂の11球”公式戦3432日ぶり登板で3人斬り

[ 2018年4月1日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人8―4阪神 ( 2018年3月31日    東京D )

8回を3人で抑え、ベンチのナインと「ハイファイブ」を交わす上原
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 10年ぶりに巨人に復帰した上原浩治投手(42)が31日の阪神戦で08年11月6日の日本シリーズ・西武戦以来、3432日ぶりの公式戦登板を果たした。1点リードの8回のマウンドに上がり、打者3人斬り。直後に岡本和真内野手(21)の1号3ランが飛び出すなど球場の雰囲気を一変させた。逆転で今季初勝利を飾ったチームに頼りになる男が帰ってきた。

 まだ姿も、アナウンスもない。登場曲が流れただけで地鳴りのような大歓声。球場の雰囲気が一変した。4万5963人の中には涙ぐむファンもいたが、上原が感情的になることはなかった。

 「1、2人(塁に)出しても、とにかくゼロで。1点勝ち越したので、同点に追いつかれないように」

 先頭・大山を2球で追い込み、シュート気味に落ちるスプリットで腰を引かせながら空振り三振を奪った。続く2人は打たせて、背番号と同じ11球で3人斬り。「ゼロなので。内容どうこうじゃなくて、それで良い。初戦としては満点だと思う」と汗を拭った。

 ベンチに戻るとレッドソックス時代に代名詞となった「ハイファイブ」を再現。力強いタッチを味方に見舞ってムードを高めると、直後に岡本が特大3ラン。斎藤投手総合コーチから三振を奪った記念球を受け取り、お立ち台では「お久しぶりです」と叫んで歓声を浴びた。高橋監督も「ここぞの時に上原だったり、阿部だったり。その雰囲気、空気は大事。やっぱり頼りになる」と称えた。

 25日の楽天とのオープン戦からフォームが変わった。ノーワインドアップから始動する際、胸の高さにあったグラブの位置がベルト付近まで下がり左足を上げる際に腰のひねりが加わった。「00〜02年のビデオを見た」と初めて過去の自身を参考。復帰後初めて140キロも計測し「真っすぐは日に日に良くなっている」。糸原はオール直球で左飛に打ち取った。「何年か前に戻しただけで、体は覚えている」と見通しも明るい。

 上原復帰、沢村復活で強固になった新勝利の方程式。マシソンを休ませることもできた。チームは0―4からの逆転劇で今季初勝利。上原自身は日米通算91ホールド目を挙げ、前人未到の100勝100セーブ100ホールドまであと9に迫った。「どんな状況であれ、便利屋としてやっていきたい」。あくまでも謙虚だが、この一戦だけで計り知れない相乗効果をもたらした。 (池田 翔太郎)

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2018年4月1日のニュース