巨人・菅野 両リーグ最速10勝「立ち上がりは不安だった」

[ 2017年7月23日 05:30 ]

セ・リーグ   巨人3―1DeNA ( 2017年7月22日    横浜 )

<D・巨>8回無失点で両リーグ一番乗りとなる10勝目を挙げた菅野
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 数奇な運命か、偶然か。巨人・菅野は1年前の同じ日の同時刻、同じ横浜スタジアムのマウンドにいた。

 「昨年はいいシーズンだったけど、勝ち星が追いつかなくて後ろめたさもあった」。最優秀防御率に輝いたが、プロ入り後初めて2桁に届かず9勝に終わった。昨年7月22日は、筒香にソロを浴びるなど7回2失点。チームも延長の末にサヨナラ負けを喫した。

 あれから1年。10勝を懸けた舞台で成長を証明した。「立ち上がりは不安だった」。ブルペンでは球が抜けたが、完璧を求めず「できることしかできない。最少失点で切り抜け、長く投げるだけ」と意識した。

 3―0の初回にいきなり1死満塁のピンチ。打率リーグトップの宮崎への初球は、150キロ直球を選択した。「甘かったけど意図したボールだった」と力で遊ゴロ併殺に抑え、2回以降は二塁すら踏ませなかった。昨年は満塁で17打数4安打の被打率・235だったが、今季は6打数無安打と無敵だ。

 完封ペースだったが体調面を考慮し、98球で交代。8回3安打無失点、10奪三振。巨人では07年高橋尚成以来となる両リーグ一番乗りで10勝に到達。防御率も2・05で「2冠」に立った。

 3月のWBCで準決勝敗退した翌日。日本のエースは3年後の東京五輪を見据えた。ロサンゼルスの宿舎から空港に向かう直前に「もう1段階も2段階もレベルアップしたい」と誓った。

 今月は21イニング連続無失点で、自身初の7月3勝をマーク。「キャリアを積ませてもらい、生きてきている。どんどん勝てるようにやっていきたい」。上位浮上へ、勝負の夏は続く。 (神田 佑)

 ▼巨人・高橋監督(菅野について)暑い中、みんなが苦しい中でチームの軸、柱の選手が頑張ってくれるとチームは助かる。(8回での交代は)今後のこともあるので。

 ≪日付&試合数で自己最速≫菅野(巨)が両リーグ最速で10勝をマーク。巨人投手の両リーグ10勝一番乗りは07年高橋尚以来10年ぶり7人、8度目になる。また、自身2桁勝利は13年13勝、14年12勝、15年10勝に次ぎ4度目。巨人で入団5年目までに4度以上の2桁勝利は上原が99年から03年まで20、9、10、17、16と4度記録して以来14年ぶりだ。菅野の2桁勝利到達日とチーム試合数は

  13年8月11日 100試合

  14年9月10日 123試合

  15年9月22日 135試合

  17年7月22日  87試合

 日付、試合数とも今季が自己最速になった。

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