【我ら侍応援団】前なでしこ監督・佐々木則夫氏 指導論共有した小久保さん、頑張れ

[ 2017年3月13日 10:40 ]

WBC2次ラウンドE組   日本8―6オランダ ( 2017年3月12日    東京ドーム )

佐々木則夫氏
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 リーグ戦初戦の結果はその後に影響する。とにかく勝ったのが大きい。ただ、オランダがこんなに強いとは思わなかったし、世界の野球のレベルが以前より上がっていると感じた。サッカーも同じだが国の誇りをかけた戦いはいつもしびれる。日本もメジャーの選手を含めたベストメンバーで戦えないのが残念だ。

 小久保さんとは13年秋に福岡で知り合った。初対面だったが、勉強熱心でサッカーの指導者養成システムに興味を持っていた。その時は「将来指導者の道に進みたい」と言っていたが、既に侍ジャパンの監督就任を打診されていたようだ。私がなでしこジャパンを率いた話を細かく丁寧に聞いてきた。食事をしながら私の話を一生懸命メモしていたほどで、探究心があり、意識も高かった。その後も親交が続き、昨年末に食事し「WBC頑張ってよ」と激励した。確かに監督経験は少ないが、若いし意欲がある。振る舞いを見ても、上から目線ではないし、体当たりで取り組んでいるので選手もついて来る。

 代表は預かった以上、失敗は許されないという宿命がある。だからこそやりがいもある。世界と戦うには多くの要素があるが、小久保さんは私がもっとも重視した「日本人の特徴、性格、国民性をベースにチームをつくった」という話に耳を傾けていた。体格が違うので欧州と同じ戦い方をしては勝てないので工夫したという話だ。主軸を信頼してブレないところも素晴らしい。この大会で優勝すれば20年東京五輪の監督の可能性も出てくるかもしれない。ぜひ、そこまで頑張ってほしいと思う。 (前なでしこジャパン監督、スポニチ本紙評論家)

 ◆佐々木 則夫(ささき・のりお)1958年(昭33)5月24日、山形県生まれ。58歳。帝京高で高校総体優勝、明大―電電関東(現J1大宮)でDF、MFとして日本リーグ2部昇格に貢献。現役引退後、06年になでしこジャパンコーチ。07年12月に監督に昇格、11年W杯ドイツ大会優勝、12年ロンドン五輪銀メダル、15年W杯カナダ大会準優勝。16年に退任。現在は大宮アルディージャトータルアドバイザーや十文字女子大副学長、スポニチ評論家などを務める。

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2017年3月13日のニュース