中田 死闘4時間46分V撃 侍初3戦連発&大会史上初タイブレーク締め

[ 2017年3月13日 05:30 ]

WBC2次ラウンドE組   日本8―6オランダ ( 2017年3月12日    東京ドーム )

<オランダ・日本>延長11回タイブレークを制し喜ぶ中田(中央)ら侍ジャパン
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 中田が決めた!アサヒスーパードライプレゼンツ・第4回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)2次ラウンドE組が12日、東京ドームで開幕した。世界一奪回を目指す侍ジャパンは、同点の延長11回から大会史上初のタイブレークに突入し、1死二、三塁で中田翔内野手(27=日本ハム)が左前へ決勝2点打を放った。3回には日本選手として大会初の3戦連発、3安打5打点と大爆発。日本にとって過去最長4時間46分の死闘を制し、開幕4連勝。決勝トーナメント進出へ向け、大きな1勝となった。

 一塁ベース上で手を叩き、ベンチへ向けて左拳を突き出した。中田がまた打った。大会史上初のタイブレークとなった死闘。延長11回無死一、二塁から鈴木が犠打でつないで、1死二、三塁の場面だった。

 「鈴木に“バントするんで後は頼みます”と言われた。先輩として意地でも打ってあげないと、と思ったので、良かった」

 スタウフベルゲンが投じた内角146キロを強振し、詰まりながらも左前に運んだ。値千金の決勝2点打。ナインもベンチを飛び出し、大絶叫した。この日は中田が神ってた。

 2回の先頭打者ではバンデンハークのカーブに食らいつき、三塁線を破る二塁打。1―1の3回2死一、二塁では外角スライダーに手を目いっぱい伸ばした。「いけ!いけ!いけ!」と3度、叫んだ。

 高々と舞い上がった打球は左翼フェンス最前列に着弾する勝ち越し3ラン。WBC日本代表で史上初の3戦連続アーチ。「シーズン中の対戦打率(昨季はCS含め11打数1安打)が悪かったので、割り切って本塁打だけを狙いに行った。気持ちよかった」。1試合で5打点も06年大会の西岡と並び最多だ。15年「プレミア12」では打点王とベストナインを獲得。国際舞台での強さを見せつけた。

 WBCに向けて打撃用手袋を新調。モデルは同じだが、素材の色を黒から白をベースに赤金のラインが入っているデザインに変更した。マスコットバットもキャンプから金色に新調し、「気分(で替えた)だけやで。狙いはないよ」と言うが、「金、一番になる」と恥ずかしそうに意図を説明したこともあった。今大会は筒香の後ろの5番を任される。弟のようにかわいがる後輩スラッガーを、そしてチームを支えようと覚悟する。

 中田の3安打5打点の大暴れに小久保監督は「打つべく人が打って、つなぐべく人がつないだ。そういう大量点だった」と感無量の面持ち。侍ジャパン最長の4時間46分の死闘だった。

 お立ち台で中田は「僕も波に乗らせてもらっているだけなので、これを継続して最後まで突っ走る。投手陣も粘り強く投げた。ここからもっともっとジャパンは乗っていくと思う」と声を弾ませた。死闘を制し、2次ラウンド突破を大きく引き寄せた。中田の打棒はもう止められない。 (柳原 直之)

 ▽タイブレーク制 今大会は延長11回から採用され、無死一、二塁から始まる。打順通りに打席に入り、走者は先頭打者の直前の2人。09、13年大会では延長13回から採用されていたが、突入した試合はなかった。プロ参加の日本代表では08年北京五輪の予選リーグ米国戦で11回から始まり、2―4で敗戦。16年秋の強化試合ではオランダ相手に2試合で実施され、日本が連勝した。

 ≪WBC侍最長≫日本が延長11回タイブレークでオランダに勝利。試合時間4時間46分はWBC日本代表の試合では、13年2次ラウンド初戦の台湾戦4時間37分(延長10回)を上回り最長。9投手の継投も13年2次ラウンド、オランダとの1位2位決定戦の8投手(9回)を上回る最多となった。

 ≪06年李スンヨプ4戦連発≫中田が1次ラウンドのオーストラリア戦、中国戦に続く本塁打。WBCで日本打者の3試合連続本塁打は初めて。1大会3本、通算3本はともに06年の多村と並び最多となった。他チームを含め、WBCの3試合以上連発は06年韓国・李スンヨプの4試合連続、13年キューバのA・デスパイネの3試合連続に次ぎ3人目。またプロ参加の日本代表で同一大会の3試合連続本塁打は02年インターコンチネンタル杯(日本は若手主体)の古木、04年アテネ五輪の高橋由に次いで3人目だ。

 ≪1試合5打点は日本最多≫中田はタイブレークの延長11回に決勝2点適時打で計5打点。WBCで中田の勝利打点は日本最多4度目。1試合5打点は、06年1次ラウンド中国戦の西岡と並び日本最多。

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