マー君4回完全!進化のシンカーで手玉 初回先頭から6者連続K

[ 2017年3月13日 05:30 ]

オープン戦   ヤンキース7―1タイガース ( 2017年3月11日    タンパ )

タイガース戦に登板し、7奪三振で4回を完璧だったヤンキース・田中
Photo By ゲッティ=共同

 圧巻の奪三振ショー!ヤンキースの田中将大投手(28)は11日(日本時間12日)、タイガースとのオープン戦に先発し、初回先頭から6者連続三振を奪うなど4回をパーフェクト。4年目でより進化したシンカーが、2種類の変化で威力を発揮した。オープン戦はこれで3試合、9イニング連続無失点。3年連続の開幕投手へ、順調すぎる仕上がりを見せている。

 グイッと曲がる。あるいはヒュイッと消える。変幻自在のシンカー(ツーシーム)が、主砲カブレラらWBC組不在のタ軍打線を手玉に取った。

 「状態は特別良かったわけではない。その中で大きな助けになったのがツーシーム系のボールだった」。初回先頭から6者連続三振。4回先頭のゴースからも三振を奪い、4回を7奪三振でパーフェクトに抑えた。

 初回先頭の左打者モースは、内角ボールゾーンからストライクに入れる「フロントドア」で見逃し三振。2回1死での右打者マキャンは、内角低めからより膝元へ落とし空振り三振を奪った。シンカーで奪ったこの2つの三振に進化があった。

 この日、暴れて動いたシンカー。「曲がり幅の強弱はつけられない。でも横に曲げるか、斜めに落とすかは意図的にできるようになった」と明かす。昨季中に握りを変えて、真横に曲げる際は人さし指と中指をそろえて左の縫い目へ、斜めに落とす時はその両指を離して両縫い目の内側へ添える形へ変えた。「去年グリップを変えて、そこから何となくつかめた」。前述の例では見逃し三振は真横へ、空振り三振は斜めに落とすシンカー。二刀流ならぬ「二枚刃」へ進化を遂げ、威力を発揮。全45球中、直球(フォーシーム)は1球だけで「ツーシームが良かったから」とした。

 初回から6者連続三振ながら、3回は意図的に早打ちを誘い、計6球で3人を片付け「理想的な投球だった」と振り返る。オープン戦の結果に一喜一憂はしない。抜け球が多く課題だったスライダーでも3三振を奪い、手応えは得た。場内に出ない球速は最速90マイル(約145キロ)。「全然力んでないから。球速は出てないんだろうけど」。結果を知らない田中は涼しい顔でほほ笑んだ。

 ≪先頭打者からの連続Kは8が最多≫初回先頭打者からの連続奪三振記録は、1900年以降では86年のJ・デシェイズ(アストロズ)、14年のJ・デグロム(メッツ)の8が最多。日本では、56年3月27日に小山正明(神)が広島戦で記録した7が最多。開幕戦の先頭からの連続奪三振記録は、00年3月31日に石井一久(ヤ)が中日戦でマークした6。

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