金本阪神 ついに最下位…でも「今は一番上しか見ていない」

[ 2016年7月4日 05:30 ]

<中・神>ついに最下位転落となり、ベンチから引き揚げる金本監督(右端)

セ・リーグ 阪神3―8中日

(7月3日 ナゴヤD)
 阪神が418日ぶりの単独最下位に転落した。3日の中日戦(ナゴヤドーム)は岩貞が今季3本目の満塁被弾に沈むなど3―8で完敗。日曜日は8連敗で再び今季最悪の借金8となり、ヤクルトに抜かれた。首位の広島から12差、2位の中日からは2差の現状にも金本知憲監督(48)は「今は一番上しか見ていない」と気丈に前を向いた。

 とうとう単独最下位に転落した。昨年5月12日以来、418日ぶりの屈辱。首位・広島との距離は再び今季最大の12差へ広がった。一方で2~6位には2差内で5球団がひしめく混戦。残り64試合をどう戦うのか、金本監督は目線を一切、下げなかった。

 「今は上しか見ていないからね。一番上しか。3位まで(ゲーム差)なんぼ、2位までなんぼ、とか見たことないし。後半過ぎて、1位とはいくらかというところ。そこはしっかり見ている。そこしか見ていないから」

 悔しい敗戦の後も気丈に前を向いた。チーム状況は良好とは言いがたい。最下位転落の一戦も厳しい戦いを強いられた。

 「まあ、何とも言いようがない。やっぱり四球が痛いね。(3回の満塁被弾は)まだ取り返せるイニングだったけどね。痛いのは痛かったけど」

 岩貞は先制直後の初回に同点を許し、3回には球団ワーストに並ぶ同一シーズン3本目の満塁弾を浴びるなど5失点。3回6失点で先発の役割を果たせなかった。打席でも2回1死一塁で試みた送りバントを失敗(捕ゴロ併殺)した。

 「ああいうのは流れが変わるから。キャンプからずっとやってきて投手のためのバント練習もわざわざ3~4回やったのかな。もう一回、徹底してやらざるをえない。ただ、やるのではなく、ちゃんと正しい形を理解して。反復練習しかない」

 打線も初回に先制後も続いた2死一、二塁で伊藤隼が左飛に倒れ、吉見の立ち上がりを攻めきれない。5回以降は2安打無得点に終わった。

 「ヒットは打つけど、走者がたまるとね…。隼太もね。後から何を言っても仕方ないけど。今日の吉見の状態を考えたら、もうちょっと点を取りたかったね」

 逆襲の旗手として期待する鳥谷も4打数無安打で快音がなく、4回には大島のライナー打球の処理を損ねるなど(記録は内野安打)攻守で精彩を欠いた。

 「長年やっているんだから自分でね。俺はもう言うことは言っている。キャンプからずっと言っている。自分で打破していくしかない」

 再び借金8を抱えても「育てながら勝つ」という強い意志は絶対に揺るがない。「育成優先なんて、ひと言も言ってもいないし、思ってもいない。現状がベストメンバーだから」。どんな苦境に立たされても、勝つために最善を尽くし、頂点をうかがうのみだ。 (惟任 貴信)

 ≪418日ぶり単独最下位≫阪神は中日に敗れ、勝ったヤクルトと入れ代わりで単独最下位に転落。チームでは15勝20敗だった昨年5月12日以来418日ぶり。年間試合数の半分以上を消化してからでは、01年終了時(57勝80敗3分け)以来になる。今季の日曜日は4勝10敗1分けで、5月8日から1分けを挟んで8連敗となった。

 ≪単独最下位も2位中日とわずか2差≫首位の広島が勝ち、2位に今季最大の10ゲーム差をつけた。阪神は単独最下位に沈んだが、借金4の2位中日とはわずか2差。交流戦後は2位にいるチームが1勝7敗と勝ちきれないことから混戦となっている。

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