【西東京】桜美林・増渕ツインズ弟 コールド口火打 清宮は元チームメート

[ 2016年7月4日 05:30 ]

<桜美林・都南多摩中教校>初戦突破し笑顔を見せる兄・岳(右)と弟・嶺の増渕兄弟

第98回全国高校野球選手権・西東京大会1回戦 桜美林9―2都南多摩中教校

(7月3日 町田市小野路)
 第98回全国高校野球選手権大会(8月7日から15日間、甲子園)の地方大会は3日、6大会で56試合が行われた。西東京大会では、桜美林の増渕嶺(れい)捕手が負傷欠場した双子の兄・岳(がく)外野手(ともに3年)の分も奮起し、コールド勝ちを決めた7回に適時二塁打。02年以来の夏の甲子園出場へ好スタートを切った。東東京大会では、都小山台の高田健太投手(3年)が完封一番乗りを果たした。4日は3大会で15試合が行われる。

 負傷欠場した双子の兄・岳の思いもバットに込めた。5―2の7回無死一塁。増渕嶺が振り抜いた打球は左翼手の頭上を越え、この日自身初安打となる適時二塁打。「チームを引っ張ってきた岳が出られないまま終わらせてはいけない」と誇らしげに言った。

 主将の岳は2週間前に右足首を捻挫。11日の2回戦・桐朋戦には間に合う見通しで「来週までには治すから」と悔しさを胸に秘めてベンチで声をからしていた。この一打から打線がつながり7回コールド勝ち。「(当たりは)普通のレフトフライだよ」。試合後、照れくさそうに声をかけてきた岳と握手を交わした。

 工藤真彦監督が「1年時は見分けがつかなかった」と言うほどそっくり。昨年8月に岳が左手首を骨折すると、1週間後に嶺が右手首を骨折。今年2月には2人そろってインフルエンザに感染した。しかし、昨夏は嶺だけがベンチ入り。岳にとっては今年が最初で最後の夏となるだけに絶対に負けられなかった。

 小学3年から一緒に野球を始め、中学時代は調布シニアに所属。3年時には1学年下で4番の清宮(早実)に続く5番を嶺、6番を岳が務め、全国大会を制した。嶺は昨夏、甲子園4強入りした清宮を見て「自分もあの場所に行きたいと思った」と話す。勝ち進めば25日の準決勝で早実と対戦する可能性がある。岳は「清宮に打撃では負けません。戦ったら勝つだけ。力を出し切りたい」と腕をぶした。 (青木 貴紀)

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