初回0―5から連勝!西武・牧田 超ロング救援 逆転呼ぶ6回零封

[ 2016年3月27日 05:30 ]

<西・オ>ビクトリーロードでファンとタッチを交わす牧田

パ・リーグ 西武9―5オリックス

(3月26日 西武プリンス)
 敗色濃厚の空気を“スーパーサブ”マリンが一変させた。西武の先発・十亀が初回に5点を失い、3回で降板。1―5の4回から後を引き継いだのは、牧田だった。

 「初回から肩はつくっていた。1イニングごとが勝負だった」。いきなり先頭の吉田正に右中間二塁打を許したが、このピンチを切り抜けると、波に乗った。4回に味方が追い付き、5回に7―5と勝ち越し。直後の6回を投げ終えてベンチに戻ると、潮崎ヘッド兼投手コーチの「まだまだいくよ」という言葉に力強くうなずいた。

 「今の打線は点を取ってくれる。野球は個人競技じゃないので、みんなでカバーし合っていくもの」と牧田。結局、その後は1安打も許さず、最後まで投げ抜いた。「最後までとは思っていなかったけど、余力はあった」。6回1安打無失点の超ロングリリーフで逆転勝利を呼び込んだ。

 本来は先発だが、昨季はクローザーもこなすなど万能ぶりを発揮した。昨年11月のプレミア12でも初回からブルペンで肩をつくった経験があり、どんな状況でも対応できるのが牧田の最大の強みだ。インフルエンザでキャンプインが遅れたが、きっちり開幕に合わせてきた。最初は5人で回せるために開幕ローテーションからは外れたが、田辺監督は「どこのポジションでも仕事ができる。牧田にしかできない」と全幅の信頼を置く。

 開幕戦は9回に逆転サヨナラ勝ちし、2戦目は初回5失点からの逆転勝ちと、チームは勢いに乗っている。牧田は今後、先発ローテーションに入る可能性もあるが「先発とか中継ぎという意識はない。それは自分にしかできないこと。とりあえずは自分の中でいい開幕になった」。8年ぶりのリーグ制覇のためにはサブマリンの力が不可欠だ。 (重光 晋太郎)

 ▼西武・十亀(先発で3回7安打5失点)打線が打ってくれて、牧田さんが抑えてくれて自分の負けが消えた。ちぐはぐな部分もあったけど、ウミが出たと思って次回に生かしていきたい。

 ≪13年ぶり≫西武は初回にいきなり5失点も9―5と逆転勝ち。5点差以上の逆転勝利は昨年9月12日の日本ハム戦で2回に6点を取られ1―6とされたが、9―8と逆転して以来。また、西武が初回に5点以上を奪われながら勝利へと結びつけたのは、03年6月29日のダイエー戦以来13年ぶりだ。

 ▽西武の前回、初回5失点からの逆転勝ち 先発の三井が初回に5失点し、2回には6点差とされたが、3回に6安打で6点を奪い同点。その裏3点リードを再び許したが、8回2死からカブレラの左前適時打でまたも追い付いた。最後は延長11回にカブレラが決勝の勝ち越しソロ。5時間20分の乱戦を制した。

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