【甲子園百景・春】原田監督の“平安プライド”春夏通算98勝にウルッ

[ 2016年3月27日 08:27 ]

<龍谷大平安・八戸学院光星>八戸学院光星に勝利した直後は笑顔を見せていた龍谷大平安・原田監督(左)だったが…

第88回センバツ高校野球2回戦 龍谷大平安2―0八戸学院光星

(3月26日 甲子園)
 一塁ベンチから身を乗り出して選手に声をかける。表情、しぐさに闘志が見える。1993年秋から母校・龍谷大平安の指揮を執る原田英彦監督(55)。常に「平安愛」を口にし、2年前のセンバツ初優勝の際は「平安ファンとしてうれしい」とインタビューに答えた。

 平安グラウンド近くで生まれ育ち、小さい頃から平安一筋。卒業後、日本新薬(京都)で活躍し母校に戻った。その熱は筋金入りだ。08年、龍谷大の付属となり、ユニホームに大学の縦じまを取り入れる案が浮上した際は「ふざけるな!」と血が沸騰。理事長に嘆願して伝統のユニホームを守った。

 センバツ優勝から同年夏、翌年のセンバツでは初戦敗退。昨年夏は京都大会で敗退した。初戦の難敵明徳義塾に快勝した際は「優勝したあと、ほんまに苦しかった。だから素直にうれしい。校歌を聴いていて、ウルッときた」と目頭を押さえた。この日は「話していても凄く幼い。赤ちゃん以下や」と笑う投手の主将・市岡が苦しみながら八戸学院光星を完封。「ひと冬越えてたくましくなった」と褒めた。

 チームはこれで春夏通算98勝目。大台が見えてきた。その話を振ったら「監督就任時、想像もしなかった数字。そういう節目にいられるのがうれしい…」とお立ち台で声を詰まらせた。胸板は1メートルを軽く超え、ギョロリと目を光らせるが、平安の話になると途端に涙腺が緩くなる。そんな“平安プライド”の塊、原田英彦、私は好きだ。(落合紳哉・特別編集委員)

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2016年3月27日のニュース