金本監督 超変革体現1勝 “日本の実績ゼロ”1~3番に魔法タクト

[ 2016年3月27日 05:30 ]

<神・中>5回2死一、三塁、ゴメスの3ランに笑顔の金本監督(右から2人目)

セ・リーグ 阪神7―3中日

(3月26日 京セラD)
 虎軍団を率いる「アニキ」は、目を細めて頬を緩めた。ちょっとだけ、照れくさそうだった。

 金本監督「まあ、そうですね。え~。それなりにうれしいですね」

 開幕2戦目にして節目の初白星。勝利のハイタッチにベンチが沸き返る。9回を締めたマテオからウイニングボールを手渡された。ポケットに入れる。その感触に、勝利の実感が湧いた。

 「高山もタイムリーを打ったりね。ヘイグもそうだけど、横田も。1、2、3番。日本での1軍実績はゼロだね。今、気付いた」。金本監督の言葉通り、過去の実績など眼中にない。いいと思うから、使う。そのタクトに選手が躍る。特に高山&横田の若き1、2番コンビは、チームスローガン「超変革」の申し子ともいえる存在だ。3回。先制点を叩き出したのはその高山だった。

 1死一塁で右中間二塁打。開幕戦の初回、プロ初打席初安打をマークした即戦力ルーキーが、今度は初打点&V打で輝きを放った。新監督に初勝利をプレゼントし、「そういう特別な日に打点を挙げられて、凄くうれしい気持ちでいっぱい」。阪神の新人で開幕2戦目に打点をマークするのは、ドラフト制以降では最速だ。お立ち台で笑顔の花を咲かせ「勝つと、こんなにいいものなんだ」と破顔一笑した。

 新たな船出のシーズン。指揮官はベンチで表情豊かに、大きなアクションで選手を鼓舞する。チーム最大の武器は「結束力」。今年1月7日のスタッフミーティングで、金本監督は声を大にした。「選手などにチームの文句を言って雰囲気を乱すような人間はいらない。そういうコーチには辞めてもらいます」――。そんなコーチ陣と密に連携を取り、信頼して意見を尊重する。チームのムードは大きく変わった。

 「若い選手が多いので、乗っていくことが大事。怖がらずにやってほしい」。初白星の感慨に浸る暇などない。金本阪神が、11年ぶりのリーグVへと高々と帆を揚げた。

続きを表示

この記事のフォト

2016年3月27日のニュース