早実の先輩アイドル荒木氏が清宮にエール「失敗OK。暴れ回れ」

[ 2015年8月6日 05:30 ]

早実の後輩・清宮にエールを送る荒木氏

 創設100年の節目を迎える第97回全国高校野球選手権大会が6日に甲子園で開幕する。今夏のスターとして早実(西東京)の清宮幸太郎内野手(1年)が脚光を浴びる中、同じ1年生だった1980年夏に「大ちゃんフィーバー」を巻き起こした早実OBの荒木大輔氏(51)が5日、大阪市中央公会堂で開催された高校野球100年記念シンポジウムに出席。35年前の熱狂を振り返ると同時に、清宮に“先輩アイドル”としてエールを送った。この日、甲子園では開会式リハーサルが行われた。

 早実の元アイドル球児として、荒木氏は1年生スラッガーとして注目を集める後輩の清宮に熱烈エールを送った。

 「重圧はかかるだろうが、1年生の特権で失敗はOK。背伸びせず、伸び伸び思い切り暴れ回ってほしい」

 80年夏。1年生ながらマウンドを託された荒木氏は準決勝まで5試合で4完封。44回1/3連続無失点という離れ業で、チームを準優勝に導いた。当時を振り返り、「とにかく早実は自由。泥臭いのが嫌いで、本当に練習しない学校だった。先輩、後輩の関係も緩いし、1年生のカバーは上級生がするって環境だった」。そして甲子園では「(3年生)捕手のサインには首を振らなかった。それで失敗しても捕手の責任で自分のせいじゃない。それぐらいの感覚でやってた」と明かした。

 もちろん、社会現象となった「大ちゃんフィーバー」は忘れもしない。外出は一切できず、女性ファンにバスが取り囲まれるのも当たり前。同年の新生児の命名ランキングでは「大輔」が1位を獲得した。卒業時に一括して渡されたファンレターはダンボール3箱以上にも及んだという。

 清宮も開会式リハーサルでは、待機場所の真横にバスを付けて入退場するVIP待遇。注目を一身に受ける1年生に、今秋ドラフト1位候補左腕の東海大相模・小笠原は「僕より清宮の方に人が集まっていた」と嫉妬したほどだ。もっとも、荒木氏に言わせれば「清宮(フィーバー)はまだまだ甘い」となるが…。

 荒木氏の甲子園最後の試合は3年夏の準々決勝・池田(徳島)戦。池田の3番打者で初回に2ランを浴びた江上光治氏の長男・太悟郎(3年)が、早実の記録員としてベンチ入りするなど不思議な縁もあり、「幸ちゃんフィーバー」を期待していた。(東山 貴実)

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