青木 メジャー自己最速20安打到達 年間231安打ペース

[ 2015年4月21日 05:30 ]

<ジャイアンツ・ダイヤモンドバックス>初回、二塁打を放ったジャイアンツの青木(AP)

ナ・リーグ ジャイアンツ1―5ダイヤモンドバックス

(4月19日 サンフランシスコ)
 ジャイアンツの青木宣親外野手(33)が19日(日本時間20日)、ダイヤモンドバックス戦に「1番・右翼」で出場し、4打数2安打。今季初の2本の長打を放ち、メジャー自己最速の14試合目で20安打に到達した。日本選手でも歴代2位タイのスピード到達で、年間換算では231安打ペース。チームは敗れ、両リーグワーストタイの10敗目を喫した。波に乗れない昨季の世界一軍団の中で、今季加入したリードオフマンが一人気を吐いている。

 青木頼みの苦境。その中で反撃の糸口を切り開いた。いきなり2点を先制された初回の攻撃。青木は先頭で右翼線二塁打を放ち、後続の適時打で生還した。5回には2死走者なしから右中間を破る今季初の三塁打。打って走って最後まで突破口を探った。しかし、得点は青木が踏んだ初回の1点だけに終わった。

 「きょう取って(勝って)いれば、もっと雰囲気も変わったと思う」。前夜に連敗を8で止めたが、その勢いを生かせずに残念がった。それでも長打2本は今季初で、マルチ安打は早くも出場半分の7度目。20安打はナ・リーグ3位で、14試合での到達は13、14年の20試合を大きく上回る自己最速だ。メジャー4年目で初となる目標のシーズン200安打を軽々と超える231安打ペースに「(個人的に)この開幕14連戦でいいスタートは切れたと思う」と話した。

 ロン・ウータス・ベンチコーチは「(投手が)どこに投げても(野手が)どこを守っても出塁する方法を見いだす。相手には厄介でたまらないだろう」と頼もしげだ。青木は昨年のロイヤルズ時代につけた背番号23を希望し、譲ったのが同コーチ。驚かされたのはプレーだけではない。1月の入団会見で青木は「(背番号の)お礼にロレックスかゴルフセットをプレゼントしたい」と話して笑いを誘ったが、キャンプが始まって早々に有言実行に移していたという。

 キャンプ地近郊のモールに青木自ら足を運び、推定100万円のロレックス社の高級腕時計をセレクト。「なんて律義な若者なんだ、と驚いた。格好いい時計で凄く気に入っている。彼に背番号を譲れて光栄な気分だ」とウータス・コーチ。91年から25年間もジ軍コーチを務め、過去5年で3度のワールドシリーズ優勝に貢献した名参謀は、グラウンド内外ですっかりほれ込んでいた。

 開幕14試合で4勝10敗は、ジ軍では00年以来の低調なスタート。その間、青木だけフル出場させたブルース・ボウチー監督は「打線が苦しんでいる中、これだけいい仕事をしている青木を休ませる余裕はない」と訴えた。20日(日本時間21日)の今季初のオフを挟み、再び9連戦が始まる。青木は言った。「シーズンは始まったばかり。みんな良くする方向に努力をしている。それを続けていければいい」。孤軍奮闘の中、チームの復調を信じて打ち続ける。

 ≪2位タイのスピード≫青木の20安打到達は、レギュラー定着以降のブルワーズでの13年、ロイヤルズでの14年はいずれも20試合だった。シーズン安打数は13年の171安打がメジャー最多。ヤクルト時代は05年(202安打)、10年(209安打)の2度、シーズン200安打以上をマークした。日本選手の20安打到達では、14試合は05年イチロー(マリナーズ)の12試合に次ぐ2位タイのスピード。この年のイチローはシーズン206安打。大リーグ最多262安打した04年は、今季の青木より1試合遅い15試合目での到達だった。

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