都日野 初の決勝!西東京の都立33年ぶり聖地へ王手

[ 2013年7月27日 06:00 ]

<国士舘・都日野>延長10回、最後の打者を仕留め喜ぶ豊沢(左)

西東京大会準決勝 都日野9-6国士舘

(7月26日)
 第95回全国高校野球選手権大会(8月8日から15日間、甲子園)の地方大会は26日、23大会で44試合が行われた。西東京大会準決勝では都日野の鈴木貴大捕手(1年)が延長10回に決勝打を放ち、国士舘を9―6で下して同校初の決勝進出。西東京では80年の都国立以来の都立勢の甲子園出場をかけ、28日に日大三と対戦する。27日は23大会で42試合が行われる。 

 前夜に思い描いていた「おいしい」場面が、延長戦でやってきた。6―6の10回1死満塁。途中出場していた1年生捕手・鈴木は、フルカウントからの6球目を中前に運んだ。チームを創部48年目で初の決勝進出に導く決勝打。試合後はうれし泣きだった。

 「何も考えずに思い切りいった。昨日の夜に“自分が打って勝つ!”と思いながら寝たので、凄くうれしい」

 都立校の快進撃は、日々の工夫と意識改革が支えている。同校グラウンドは両翼80メートル程度。平日はサッカー部と併用のため、放課後の練習ではバックネットに向かって打つしかない。その分、早朝7時過ぎからフリー打撃を行い、守備では生きた球を追ってきた。都立校では珍しく推薦制度入試を採用しているため、野球部には毎年6人程度が入部する。09年に4強入りするなど近年の躍進に、勧誘活動はしなくても、有望な選手が受験する流れになった。

 ユニークな指導法も魅力だ。就任7年目の嶋田雅之監督は「ブルース・リー野球」を掲げている。映画「燃えよドラゴン」での名場面に出てくる、「考えるな。感じろ!」を打撃指導の基本とし、選手個々に合ったスイングをつくり上げている。指揮官は「打撃は“こう打たないと”という形に縛られると、いいスイングにはならない」。不格好でも、選手が振りやすい形なら決して矯正はしない。

 決勝打の鈴木は「練習で詰まる打球が多かったので」と、指2本分バットを短く持っていた。神宮の舞台でも選手は「感じる」ことができた。

 西東京の都立勢では80年の都国立以来の甲子園へ。決勝の相手は2年連続で敗れている日大三。5番・豊沢は「先輩たちの涙を見てきた。打ち勝って甲子園にいきたい」と力を込めた。

 ▼アンジャッシュ・渡部建(同校野球部OB、スタンドで観戦)勝った、勝った。夢のようです。決勝では三高に臆することなく向かっていってほしい。28日は休みを取っているので、いい日曜日にしたいですね。

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