球威戻った!松坂「本来のスタイル」メジャー復帰手応え

[ 2012年6月2日 06:00 ]

傘下3Aポータケットの試合に先発したレッドソックス・松坂(レッドソックス提供)

インターナショナルリーグ ポータケット0-2ノーフォーク

(5月31日 ポータケット)
 右肘手術からの復活を目指すレッドソックスの松坂大輔投手(31)が5月31日(日本時間1日)、3Aノーフォーク戦に先発し、5回1/3を2安打1失点に抑えた。直球は最速94マイル(約151キロ)を記録。マイナー公式戦7戦目で、ようやく球威に自信をつかんだ。打たせて取る投球スタイルへの転換も模索していたが、速球主体の本来の姿を取り戻し、6月中旬のメジャー復帰へ、大きな転機となる一戦となった。

 何かが吹っ切れたような晴れやかな表情だった。マイナー公式戦7試合目。松坂は初めて前向きな言葉を口にした。

 「フォーシームに手応えを感じている。本来の自分の投球スタイルでいけるんじゃないかという手応えが出始めている」

 2回、先頭打者を最速94マイル(約151キロ)の速球で浅い中飛に仕留めた。ボールを動かすツーシームではない。スピンの利いたフォーシームだ。奪三振は4個だったが、そのフォーシームで押し込み、飛球で7個のアウトを奪った。メジャー通算304本塁打のテハダに対しても2打席無安打。初回の1打席目は速球で右飛、4回1死一塁では得意のスライダーで遊ゴロ併殺打に封じた。

 2週間前は悩んでいた。「速球がこの状態では、ボールを動かしてバットの芯を外さないと」。右肘の状態は日々変わり、体全体を使って腕を振り切れない。「いつまでも時間があるとは思っていない」という時間的な制約も精神面を圧迫した。だが、5月下旬にリハビリ期間延長が決まり、足元を見詰め直す時間を得られた。「きょうはツーシームは3球程度」。5月17日に松井と対戦した3Aダーラム戦では速球の7割がツーシーム。この日はかわす投球ではない。初回に一発こそ浴びたが、2回以降はほぼ完璧。76球で無四球、その姿は本格派だった。

 球に力を伝えられるようになり、カットボールの球速も上がった。これまで140キロ前後だったが、145キロを超えた。速球系の球速が上がったことで緩急を生かせ、130キロ前後のチェンジアップに打者は手が出なかった。剛球復活による相乗効果は計りしれない。

 「全体的に状態が上がったと感じることができている。次の試合で、また自然と上がってくれるんじゃないか。それを感じることができた試合」。メジャー復帰時期は松坂自身に委ねられている。手応えはつかんだ。あと2試合。100球前後の球数に耐えることができれば、6月中旬復帰の道は開けてくる。

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