九国大付8強!東北OB若生監督“後輩の分も”

[ 2011年3月29日 06:00 ]

<九国大付・日本文理> ベンチで指示を出す若生監督

第83回選抜高校野球 九州国際大付4―2日本文理

(3月29日 甲子園)
 母校の思いは引き継いだ。東北と同じ三塁側ベンチに陣取り、快勝した九州国際大付の若生正広監督は「東北の分まで(頑張ろう)という気持ちはあった。あのユニホームで自分も16年間戦った。気にならないと言えばうそになるし、正直(勝てて)ホッとしている」と大きな息を吐き出した。

 68年夏には東北のエースで4番として甲子園に出場し、指導者としても長年母校に携わった。その中、監督時代の教え子だった伊東進太郎さんが29歳の若さで岩手県陸前高田市で津波の犠牲になった。だからこそ、試合前には古巣の戦況を屋内練習場のテレビで食い入るように見つめていた。

 ナインの気持ちも「東北の分まで」で燃え上がっていた。エースの三好は2試合連続2桁奪三振となる12奪三振を記録し、「監督の故郷が負けた借りを返すつもりだった」。また、主将の高城は「東北の負けはみんな自分のチームが負けたように悔しがっていた」と振り返った。

 東北の五十嵐監督と我妻部長から「勝ってください」との言葉を託された若生監督。ベスト8進出一番乗りを果たし、「ここまで来たら東北の分まで頑張って食らいついていきたい」と力を込め、2つの故郷の期待を背に、頂点を目指して突き進む。

 ≪福岡勢春50勝≫九州国際大付が今大会2勝目を挙げ、福岡勢は春通算50勝(75敗)となった。都道府県別では14位タイで、最多は大阪の172勝。

 ▽無失策試合 2回戦の日本文理―九州国際大付で記録。今大会初。

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