「ここが甲子園だ」被災地の体育館で応援

[ 2011年3月29日 18:41 ]

 「応援には行けなくても、ここが甲子園だ」|。地震と津波の被害を受けた青森県八戸市の光星学院高校の体育館。29日に行われた智弁和歌山高校との試合は、全校生徒が息をのんで見守り、接戦が終わると拍手が鳴り響いた。

 涙を流したり悔しそうに座り込む生徒もいたが、テレビ中継の大スクリーンに光星の選手が映ると、生徒、教員約600人が両手のメガホンをたたいて健闘をねぎらった。

 本来は全校生徒が交代で1、2回戦とも甲子園に応援に行く予定だった。しかし、福島第1原発の事故などから、移動中の安全確保が難しいとして中止になった。「ここが甲子園だと思って応援した」という2年の田中瑠理さんは「負けたけど、光星ナインは日本一」とたたえた。

 息子が光星の野球部OBだという八戸市の石藤則子さん(52)は「すがすがしい試合。避難所にいる人にも元気を与えられたと思う」と笑顔で話した。

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2011年3月29日のニュース