「まえけん」13勝目!投手5部門で単独トップ

[ 2010年9月10日 06:00 ]

完投勝利の前田健(右)は、野村監督(左)らに出迎えられる

 【広島9-2ヤクルト】広島・前田健に笑みが浮かんだ。「最高に気持ちいいです。久しぶりに勝った気がします。早く勝ちたくて、必死に投げました」。

 2失点の完投で、8月6日巨人戦(東京ドーム)以来の13勝目。勝利数、防御率、奪三振数、完投数、投球回数の投手5部門で単独トップに立った。
 1、5回は青木に許した二塁打が絡んで失点。それでも2点目を失った直後から4者連続三振を奪い、相手打線から反撃の気力を奪った。2回先頭の相川に対する3球目は152キロを計測。投げ合った由規が日本人最速161キロを記録した球場で、自らも自己最速をマークした。
 「由規に対抗しました。力入れて、最初から投げましたから。でも(スピード)ガンが速かったんじゃないですか?」
 1歳下の日本人最速男にも投げ勝ち、ジョークも飛び出した。右手中指にできたまめの影響で8月21日に登録抹消。復帰登板の1日中日戦(ナゴヤドーム)は9回1失点も勝ち星は付かなかった。CS出場の望みは薄いが、順位がひとつ上の4位の相手に燃えないわけがない。
 勝ちたい理由は他にもあった。前日、高橋建が引退を表明。「スピードじゃなく、いろんなところでカバーする投球は見本になった」という大先輩に成長した姿を見せたかった。
 12勝目を挙げた直後、前田健は「マエケンは威圧感がある。次に勝ったらひらがなの“まえけん”でお願いします」と報道陣へ愛称の表記変更を願い出た。そして約束の13勝目を達成。「まえけん」の快進撃は止まりそうにない。

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2010年9月10日のニュース