小笠原 チーム救った一振りに新潟のファン総立ち

[ 2010年9月10日 22:49 ]

 【巨人5―4広島】フルスイングで横山の変化球をとらえると、柵越えを確信したかのような視線を送り、ゆっくりと歩き出した。「集中していた。うまくとらえられた」。球場の大部分を占めた巨人ファンは総立ちだ。同点の延長十回。苦しむ巨人を、小笠原の一振りが救った。

 3点のリードを守れず、延長戦に持ち込まれた。4―3の九回は抑えのクルーンを投入せず、八回から登板していた山口が続投。本来の形を崩してまで目先の勝利をつかみにいったが、同点に追い付かれた。チームは重い雰囲気に包まれたが、頼れる主軸打者が、巨人移籍後初のサヨナラ弾で勝利をもたらした。
 この日は3安打を放ち、通算2000安打まであと28本に迫った。だが、もちろん小笠原の頭にそんな意識はない。試合後は「全員で戦っている。先のことは考えず、明日の一試合を粘り強くやっていくだけ」と、この人らしいコメントを残して球場を後にした。普段よりも少し、声のトーンが高かったところに、かすかに劇的な一打の余韻が感じられた。

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2010年9月10日のニュース