志田&吉本が1号アベック!自力V消滅危機救った

[ 2009年8月22日 06:00 ]

<ヤ・巨>お立ち台で笑顔のヤクルト・志田宗大と吉本亮(右)

 【ヤクルト9―6巨人】苦労人が報われた。この日今季初めて1軍に昇格した志田が勝ち越しの今季1号2ラン。戦力外通告からはい上がった吉本がプロ11年目の初アーチでダメ押しだ。負ければ自力V消滅の危機を回避し、高田監督は「本当によう打ってくれた」とねぎらった。

 まずは志田が暗雲を振り払った。同点に追いつかれた直後の6回。2死二塁から代打で今季初打席に入り、初球を振り抜いた。左翼席で弾む打球は04年10月11日の阪神戦(神宮)以来5年ぶりのアーチだ。「30歳でも2軍で使ってくれた首脳陣に感謝したい」。走攻守がそろうバイプレーヤーだが、2月中旬にぎっくり腰。定位置争いが厳しい外野では1軍に呼ばれない。2軍では“代打の神様”真中打撃コーチに心得を教わり、腐らずに地道に練習。1、2軍通じての“今季1号”をここ一番で決めた。
 そして吉本だ。リードを4点に広げた8回2死三塁で、高めの初球を右翼ポール際へガツン。九州学院から98年ドラフト1位でダイエー(現ソフトバンク)入りも、昨オフに戦力外通告を受けてヤクルト入り。福岡市に夫人と2人の男の子を残し、埼玉・戸田の寮で単身赴任中の父は「1回死んだ身。ヤクルトに恩返しを」と意気込んだ。4番・デントナ、宮本をケガで欠くチームは今月6勝12敗。苦しい戦いが続く中、救世主が出現した。
 ◆志田 宗大(しだ・むねひろ)1979年(昭54)6月16日、岩手・大船渡市生まれの30歳。仙台育英から青学大を経て、01年ドラフト8巡目でヤクルト入団。俊足と外野守備が売り。1メートル78、75キロ。右投げ右打ち。今季年俸は2000万円。

 ◆吉本 亮(よしもと・りょう)1980年(昭55)5月8日、熊本・宇城市生まれの29歳。九州学院で高校通算66本塁打し98年ドラフト1位でダイエー入団。08年オフに戦力外となり、トライアウトを経て今季からヤクルト。1メートル80、84キロ。右投げ右打ち。今季年俸は800万円。

 ≪ツバめ組苦投≫「ツバめ組」とネーミングされた救援陣は苦戦を強いられた。7回に登板した松岡は3者凡退に仕留めて今季5勝目を挙げたが、6点リードの8回に五十嵐が亀井に20号2ランを被弾。5点をリードした9回には守護神・林昌勇が1死満塁から代打・小笠原に右線2点適時打を浴び、今季初の2失点を喫した。高田監督は「林昌勇は昨年の今頃もこうだった。勤続疲労かな」と首をひねっていた。

続きを表示

2009年8月22日のニュース