エースカッター川上 サンタナに勝って6勝目

[ 2009年8月22日 06:00 ]

<メッツ・ブレーブス>6回2死三塁、ヘルナンデスの投手強襲の打球を好捕した川上憲伸

 【ブレーブス3―2メッツ】伝家の宝刀が復活した。ブレーブスの川上憲伸投手(34)が20日(日本時間21日)、メッツ戦で7回を7安打1失点で7月8日以来、後半戦初勝利となる6勝目を挙げた。持ち球のカットボールが決まって「現役最強左腕」の呼び声高いヨハン・サンタナ投手(30)との投げ合いを制した。カブスなどと繰り広げているナ・リーグのワイルドカード争い。川上がブ軍のキーマンとなる。

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 7回。顔や腕から噴き出す汗を何度もぬぐいながら、川上はマウンドに立っていた。「蒸し暑さで足がガクガクってくるし。正直“6回で交代かな”と思っていた」。6球でこの回を片付け、控えめにこぶしを握った。初登板となったニューヨークの地で計98球の熱投。気温29度、湿度85%と一見、悪条件のように感じる気候が味方した。
 21アウトのうち8人を中日時代の宝刀カットボールで仕留めた。これまでメジャー球の感触の違い、乾燥する気候などで微妙な制球に苦しみ封印してきた球だ。微妙な変化で芯を外す球種は一歩間違えば痛打の恐れはあるが「湿度が高いのはいいこと」と気候が後押し。指先にボールがしっかりと掛かり“魔球”がよみがえった。スタメン9人中7人が左打者の相手打線に対して「外のカットを多く投げると腹をくくった」。通称“バックドア”と呼ばれる外角のボールからストライクになるカットボールが面白いように決まった。
 サンタナと2度目の投げ合いを制してカード勝ち越しをもたらした川上をコックス監督も「エースとの対戦で絶対に好投してくれる。特別な存在」と絶賛した。後半戦7試合のうち5度目のQS(クオリティースタート=6回以上、自責点3以下)で手にした6勝目。「悪くはないですね。ものすごくいいとは言えないけど、結果的にいい方向に出てくれている」と川上。プレーオフ進出へ、頼れる右腕にかかる期待は大きい。

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2009年8月22日のニュース