日本文理 また毎回安打!新潟県勢史上初の4強

[ 2009年8月22日 06:00 ]

<日本文理・立正大淞南>6回1死、高橋隼は右中間二塁打を放ち、一塁を回る

 【日本文理(新潟)11―3立正大淞南(島根)】圧倒的な攻撃力。大会史上初の快挙となる2試合連続の毎回安打で、日本文理が新潟勢として春夏を通じて初めて4強に進出した。

 勢いが止まらないチームの象徴が5番の高橋義だった。4点リードの8回無死三塁から右翼ポール際にダメ押しの一発。初戦(2回戦)の藤井学園寒川戦で放ったバックスクリーン弾に続く今大会2本目に「強くボールを叩けたけど入るとは思わなかった。センバツのときは緊張したが、今は甲子園が楽しい」と白い歯を見せた。
 主軸だけではない。さらに恐怖の9番打者として主将の中村が控える。大井監督の「ベルト付近の直球に狙いを絞れ」との指示を厳守し、2回に先制打を放つなど、4打数4安打で2打点と打ちまくった。中村は「1試合4安打は初めて。県勢初の4強?歴史を変えられてうれしい」と満面の笑みを浮かべた。
 チームは3回戦の日本航空石川戦は20安打だった。これで初戦の2回戦から3試合連続で2ケタ安打。合計で50安打、27得点はまさに驚異だ。
 チームは発足直後に、まったく打てない時期があった。大井監督から「単発に終わる火縄銃」とやゆされたひ弱な打線。投手にマウンドの2メートル手前から投げさせた。コンパクトなスイングで叩きつける練習を繰り返すことで、大きく生まれ変わっている。指揮官は「こんなチームになったなんて信じられない」と目を細めた。
 新潟勢が甲子園大会で3勝するのも初めてだ。大井監督にとっては59年に宇都宮工(栃木)のエースとして準優勝してちょうど50年。「監督としての4強の方が感無量。失うものは何もない。ぶつかっていくだけだ」と言えば、中村は「ここまで来たら勝ちにこだわる」。この快進撃を決して終わらせない。

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2009年8月22日のニュース