【リーグワン】神戸の鉄人PR山下裕史 前人未到リーグ通算200試合目「頑丈に生んでくれた親のおかげ」

[ 2025年12月25日 14:30 ]

27日のトヨタ戦でリーグ戦通算200試合目の出場となる神戸のPR山下裕史
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 ラグビーリーグワンの神戸は25日、トヨタ戦(27日、ノエビアスタジアム神戸)のメンバーを発表し、PR山下裕史(39)が2試合連続で先発に名を連ねた。

 穏やかな笑顔に優しいまなざし。入社から18年間、全力で競技と仕事に向き合ってきた男にしか出せないものかもしれない。21日の三重戦(鈴鹿)でリーグ戦の通算試合出場数を199に伸ばした山下。これは前身のトップリーグとリーグワンの試合出場数を合算したもので、現役や引退選手も含めてぶっちぎりの1位だ。

 来年1月1日に節目の40歳を迎える。体力の衰えはないのだろうか。山下は「お酒が抜けにくくなってきた」と冗談めかして話したが、日々の節制とトレーニングのたまもので今季のコンディションは上々だ。前人未到のリーグ通算200試合目の出場を目前に控えても、どこまでも自然体だった。

 「ホームでやりますし、年末ですし、しっかり勝っていい年越しをしたいなと思います。年明けには自分の誕生日もくるので、それだけですよ。(200試合は)公式記録としてしっかり残るので、それはうれしいですね。もう40歳、こんなに長いことやるとは思っていなかったです。まずは自分の仕事を最優先にしたい。セットプレーの安定というところを目標に持って、グラウンドに入りたいなと思います」

 大阪府四條畷市出身。都島工で競技を始め、京産大を経て2008年度に入社した。チーフスやサンウルブズでもプレーし、日本代表キャップ51を誇る。プロ契約の選手も多い中、社員選手として積み上げてきた実績や取り組む姿勢は若手の良き手本と言っていい。職場は入社以来ずっと加古川製鉄所神戸線条工場の環境防災管理室だ。肩書は主任部員で、山下は「名ばかりの課長をやっています」と屈託なく笑った。

 社員選手の朝は早い。オフの時のタイムスケジュールはざっとこんな感じだ。「5時15分ころ起床で、6時すぎに(灘浜グラウンドに)来て、1時間くらい練習してから8時半には出社します。それから17時まで会社で仕事です」。プレーオフ3位決定戦で埼玉を下し、リーグワンではチーム史上最高位となる3位で終えた24―25年シーズン。秩父宮ラグビー場で埼玉との激闘を終えた、その翌日も灘浜にやってきてトレーニングをこなしたという。

 「年齢を重ね、オフで0になると、もう一回立ち上げるときが大変。家でのんびりする時間を減らしたり、クラブハウスに来てバイクをこいだり、ウエートしたりするのはオフも取り入れています」

 身長1メートル83、120キロ。試合では何本もスクラムを組み、密集で体を張り、ボールを持てば突進する。激務のFW第1列にあって神戸の屋台骨を支えてきた一人だ。仕事を抱えながらFWの最前線で長く活躍できるのはなぜなのか。「プロップだからじゃないですか。ボールキャリーでタックルされることもないですし。衝突はありますけど、スピードが求められるポジションでもない。手を替え品を替え、できるポジションなのかなと思います。あとは大きいケガをしていないことですかね」。頑丈な体で生んでくれた両親やサポートしてくれる家族への感謝、理解ある職場への思いも体を突き動かす原動力だ。

 「コンディションで支えてくれるのは家族ですし、妻の応援もある。ただ、この環境があるのは、まず、会社のおかげです。そこは切っても切れないもの。まず、会社があって、ラグビーをさせていただいています。会社員ですから。それがあって家族もサポートしてくれているので。あとは頑丈に生んでくれた親のおかげですかね」

 開幕から2試合を終え、勝ち点6の5位。27日はホームでトヨタと対戦する。母校の京産大の躍進も刺激になっているようだ。ラグビー部は大学選手権で、2試合連続で試合終了間際に逆転し、5大会連続4強入り。漫才日本一を決めるM―1グランプリ2025ではたくろうが王者に輝いた。コンビの一人、赤木裕が京産大のOBだ。「ラグビー部も頑張っているし、M―1の優勝者が京産大のOBだと聞きました。後輩が頑張ってくれるのはうれしいことですね」。27日は30代最後の試合。何も特別なことはしないし、感傷に浸っているわけでもない。気負うことなく、いつものように、全力で自分の仕事に徹する。(吉仲 博幸)


 ◇山下 裕史(やました・ひろし)1986年(昭61)1月1日生まれ、大阪府四條畷市出身の39歳。都島工でラグビーを始め、京産大を経て2008年度に神戸製鋼入社。加古川製鉄所神戸線条工場の環境防災管理室に勤務。チーフスやサンウルブズでもプレーし、日本代表キャップ51。愛称はヤンブー。身長1メートル83、120キロ。PR。

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