3年目迎えた「岸岡智樹のラグビー教室」 難題とも向き合いながら全国14カ所で熱く指導

[ 2023年6月30日 16:00 ]

23年の最初は北海道で子どもたちに指導した岸岡智樹(C)杉田恵
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 現役ラガーマンが子どもたちに直接指導する「岸岡智樹のラグビー教室」が、2023年もスタートした。

 今季、リーグワン1部を制したクボタスピアーズ船橋・東京ベイのSO岸岡智樹(25)が立ち上げ、今年で活動3年目。6月10~11日に北海道で行われたサマーキャンプを皮切りに、全国14カ所に自ら足を運び、小学4年生から中学3年生までを指導する。

 「3年目を迎えて、今年はまず開催の回数を増やしました。また、これまでと同様に基礎を学ぶベーシックコースを継続しつつ、今年はゲームで必要なアタック技術を学ぶアドバンスコースを新たに設けました」

 ラグビー界の課題として挙げられる「地域格差の是正」を大きなテーマとして始まったラグビー教室。基本や基礎スキルの指導をベースとしつつ、楽しむことに主眼を置いてきた。その成果がある一方で、子どもや保護者からは「現役選手によるハイレベルな指導」を求める声もあった。今年は「カメラマンの育成サービス」も始めている。

 「1年目は、地域格差の是正というテーマから、子どもたちが次のステップに上がるときにラグビーを続ける選択をしてもらおうと意識しました。楽しむために、うまくなってもらおうと。うまくなる経験や成功体験を得られたら、もっとうまくなりたいと考えると思い、それを意識しました。ただ、参加してくれる子どもたちにはレベル差や経験年数の差もあった。それなら、楽しむことを全面的に押し出すべきじゃないかと、1年目が終わったときに感じました。“楽しむためにうまくなってもらおう”だったのが“純粋に楽しむための2時間にしよう”と。それが2年目。その中で“もっとうまくなりたい”というニーズもあり、それにも応えようと3年目を迎えています」

 少しずつアップデートを図る中、新たな難題にも直面している。シーズン中から練習と社業とともにラグビー教室の準備を進め、各地の日程にも、主要大会などと重ならないよう十分に配慮してきた。ただ、コロナ禍も落ち着いてきたことから、子どもたちが所属するチームの試合やイベントなどが急きょ入ることも増えている。すでに参加者申込数が基準を上回らず、キャンプ形式の中止など苦渋の決断も下してきた。

 それでも、日程が重なったにも関わらず「ラグビー教室に行きます」と来てくれた子どもたちもいる。「自分たちにとって凄く自信になったし、大きなモチベーションにもなった。その輪をどれだけ広げていけるか」。保護者からは「子どもの目の色が変わった」「ラグビーに真剣に打ち込むようになった」と感謝の言葉をもらったり、進路相談を持ちかけられることもある。子どもたちに対する熱量は、確かに伝わっている。

 「ラグビーって、本当に良いスポーツなので。日本代表が躍進したW杯を見てラグビーを始めた子どもたちが、競技を続けるステップを踏んでもらえるように。2時間のラグビー教室ですけど、ぜひ参加して、楽しんでほしいです」

 参加申し込みは「岸岡智樹のラグビー教室」(https://kishioka-rugbyschool.com/)から可能。残る開催地は岩手、沖縄、香川、徳島、滋賀、兵庫、北九州、長野、群馬、山梨、富山、新潟となっている。

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