松元克央“初ガツオ”日本新V 本命ではない男子100M自由形「歴史を少しでも進めることが…光栄」

[ 2023年4月7日 04:50 ]

競泳日本選手権第3日 ( 2023年4月6日    東京アクアティクスセンター )

<第99回日本選手権水泳競技大会 3日目>男子100メートル自由形決勝で日本新記録で優勝を果たし、ガッツポーズの松元(撮影・河野 光希)
Photo By スポニチ

 世界選手権(7月、福岡)の日本代表選考会を兼ねて行われ、男子100メートル自由形は松元克央(26=ミツウロコ)が47秒85の日本新記録で初優勝し、200メートルとの2冠を達成した。自己ベストを0秒52更新し、18年に中村克(29=イトマン東進)がマークした日本記録を0秒02上回った。昨夏の世界選手権5位相当のタイム。日本水連の選考基準を満たして2つ目の代表切符を手に入れた。女子の池江璃花子(22=横浜ゴム)は200メートル自由形予選を棄権した。

 タイムを確認すると、松元はコースロープに右腕を乗せて右拳を握った。本命種目ではない100メートル自由形で日本新を樹立。隣のコースを泳ぎ、連覇が8で止まった前日本記録保持者の中村と握手を交わし「思った以上のタイムが出て自分でもびっくりしている。日本の自由形の短距離の歴史を少しでも進めることができたのは光栄」と笑顔を見せた。

 愛称はカツオ。19年世界選手権で銀メダルを獲得した200メートル自由形は6連覇中だが、100メートルでは初の頂点、“初ガツオ”だ。

 21年の東京五輪の200メートル自由形で予選敗退後は記録が伸び悩んだ。復活に向けて昨秋から腕の使い方を変える挑戦を開始。100メートル自由形の世界記録保持者ドビド・ポポビチ(18=ルーマニア)を参考に水を捉える量が少なかった左手でもキャッチできるフォームに変え、腕を回すテンポも上げた。

 元々は速い動きが苦手だったが、ウエートトレの重量をレースに向けて段階的に軽くするなど工夫を凝らした強化でスピードアップに成功。今大会の結果で新フォームを継続するか見極める方針だったが「やってきたことは間違いじゃなかった」とうなずいた。
 100、200メートルの自由形で世界選手権代表に内定。複数のリレー種目でもエースとしての期待がかかる。勝負の夏に向け、かつお節のように身を削る覚悟で「200メートルはメダル、100メートルはまずは決勝に残れるようにしたい」と力を込めた。26歳となり、身が締まり脂も乗ってきた。 

続きを表示

この記事のフォト

2023年4月7日のニュース