芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン⑫ ショートパットの練習法

[ 2023年4月7日 12:00 ]

芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン⑫ ショートパットの練習法
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 最終回のテーマはショートパットの練習法です。皆さんはどの程度の確率で1㍍の距離を沈めることができるでしょう。芹澤信雄プロはスティックとティーを使った練習をすることで、間違いなくその確率がアップすると言います。ショートパットの上達はロングパットの上達にもつながります。自宅はもちろん、スタート前の練習グリーンでも実践してみましょう。パートナーはチームセリザワの林菜乃子プロです。 動画で見る・芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン⑫

 
 林 芹澤プロに質問があります。私の場合、短いパットを外すことが多く、それが原因で成績もイマイチなんですが、確実にショートパットを沈める方法はありませんか?

 芹澤 ありません!そんな方法があったら、僕の優勝回数はもっと増えていますよ(笑)。むしろ1㍍を外すからこそゴルフは面白いし、皆パットについて研究するんだと思います。ただ、1㍍を入れる確率を上げるための練習法があるので、それを紹介しましょう。

 林 ぜひお願いします。

 芹澤 まず、練習グリーン上で真っ直ぐなラインを探します。カップが切られていないところでも構いません。その場合は、練習用のパターカップを置いたり、パターのヘッドカバーを使用しましょう。カップから真っすぐなライン上にスティックを置いたら、その先端にボールマーカーを置きます。

 林 スティックが無い人はクラブでもいいでしょうか?

 芹澤 大丈夫です。ただ、1㍍の距離を打ちたいので長めのクラブの方がいいですね。先ほど置いたマーカーから30㌢先にティーを2本刺してゲートを作ります。ちょうどボールが通るぐらいの幅ですね。スティックを取り除いたら、マーカーのところにボールを置き、カップに対してボールを転がします。

 林 ティーで作ったゲートを通すわけですね?

 芹澤 正解です。1㍍ほどの距離だと、左目の視界にカップが入り、顔が上がりがちです。それに伴い、左サイドにパターを振り抜いてしまいます。左のティーにボールが当たり、ゲートを通過できないでしょう。ゲートを通すことに集中すると、顔が上がらずにストロークできます。試しに打ってもらえますか。

 林 分かりました。ゲートを通すんですね。あっ。

 芹澤 左のティーにボールが当たりましたが、今のは顔が上がったからではありません。林さんの場合、アドレスでフェース面が左を向くクセがあるようです。

 林 気がつきませんでした。だから左に外すことが多かったんだ。

 芹澤 そういう癖を見つけるためにもこの練習は役立ちます。でも、真っ直ぐ打ち出せない人は、ボールにラインを引いて、そのラインをカップに向けてセットしましょう。ボールのラインとヘッドに入っているラインが一直線になるように構えると、方向性がアップしますよ。

 林 狙ったところに打ち出せるようになるので、1㍍を入れる確率が上がりそうです。

 芹澤 1㍍のパットに自信がつくと、ロングパットでも1㍍に寄せればいいと思うので、メンタル的に楽に打てるようになります。その結果、カップに寄る確率も上がります。また、30㌢先のゲートを楽に通せるようになったら、少しずつボールからゲートを離してレベルを上げましょう。逆に、ゲートを通らない人は、ゲートの幅を少し広げてください。くれぐれもゲートを通す集中力を忘れないように。

 (取材協力・チームセリザワゴルフアカデミー)

 ◆芹澤 信雄(せりざわ・のぶお)1959年(昭34)11月10日、静岡県御殿場市生まれの63歳。公式戦の96年日本マッチプレーなどツアー通算5勝。指導者として高い評価を受け太平洋クラブ御殿場コース内で「チームセリザワゴルフアカデミー」を運営。門下生に藤田寛之、宮本勝昌、西山ゆかり、林菜乃子らがいる。2022年から日本プロゴルフ協会の副会長も務める。TSI所属。

 ◆林 菜乃子(はやし・なのこ)1997年(平8)5月17日生まれ、神奈川県出身の25歳。6歳でゴルフを始めクラーク記念国際高3年時に神奈川県アマ、関東高校選手権4位。18年プロテスト合格。20~21年に6試合でベスト10に入りメルセデス・ランキングで52位と飛躍。昨季は同ランク57位。ツアー自己最高位は6位。ユピテル所属。

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2023年4月7日のニュース