芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン③ ヘッドスピードを上げる

[ 2023年2月3日 12:00 ]

芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン③ ヘッドスピードを上げる
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 飛距離を伸ばすにはヘッドスピードを上げることが必要です。ところが、アベレージゴルファーの場合、力を入れて振ると逆にヘッドスピードが落ちてしまいがちです。芹澤信雄プロは、インパクトのときにヘッドスピードがMAXになるのが理想と言います。そのための極意とドリルを紹介しましょう。今回もチームセリザワの若手・林菜乃子プロがパートナーを務めます。 動画で見る・芹澤信雄&林菜乃子ステップアップレッスン③

 芹澤 スイングプレーン同様に、ヘッドスピードを上げたい人にも素振りは有効です。その際、ヘッドスピードの測定器があると良いですね。どんどん振って、自分がどのように振ったらヘッドスピードが上がるかをチェックしましょう。試しに、林プロ、素振りをしてもらっていいですか?
 
 林 ハイ!私も測定器はよく使います。

 芹澤 なるほど。今回は41㍍/秒でしたね。もう何回か振ってみましょう。おっと、42.4㍍/秒まで上がりましたね。

 林 フォロースルーでビュンと音が鳴るスイングを意識しました。

 芹澤 今度はダウンスイングで力を入れて振ってみてください。

 林 あれっ?数字が2㍍/秒下がりました。

 芹澤 そういうことなんですよ。素早く振るにはダウンスイングではなく、フォロースルー重視で振るのが一番なんです。今度は実際にボールを打ってみましょう。

 林 先ほどの素振りの感覚で振ってみます。

 芹澤 おっ!43㍍/秒が出ました。ボールを意識せずに振れるからこその数字でしょうね。アベレージゴルファーはどうしてもボールがあると、強く打とうと意識してダウンスイングで力が入ってしまいます。そうなるとヘッドスピードが落ちます。飛距離アップのためにはそこを改善することが先決ですね。

 林 何か良い方法はありますか?

 芹澤 一つがダウンスイングではなく、フォロースルーで力を入れること。もう一つはダウンスイングで上体を目標方向に突っ込まないようにすることです。この突っ込みを防ぐために、〝イチ、ニーのサーン〟と声を出しながらクラブを振ってみましょう。

 林 〝イチ〟は両手が腰のあたり、〝ニーの〟がトップ・オブ・スイング、〝サーン〟がダウンスイングからフィニッシュまでですね。

 芹澤 おーっ!何とそのリズムで打ったら43.5㍍/秒に。〝イチ、ニッ、サーン〟だと上体が突っ込みやすくなるけど〝の〟を入れることで、トップ・オブ・スイングでタメができるんです。そこでボールよりも顔が目標方向に近づかないように気をつけましょう。

 林 確かに〝の〟を入れたことでトップ・オブ・スイングで1秒ぐらい止まるイメージになります。ただ、アベレージゴルファーの中には、突っ込まないように意識していても、突っ込んでしまう人がいます。良い練習法はありませんか?

 芹澤 お勧めは、ティーアップしたボールを3Wで打つドリルです。ポイントは1Wの時と同じ高さにすること。1Wよりもクラブフェースの厚みがないから、高いティーアップだと意外と打ちにくいんです。レベルスイングでなければボールが真っ直ぐ飛んでいかないし、ミスをしたかどうかがすぐに分かります。

 林 私も芹澤プロに言われてよく行っているドリルですが、調子が悪くなった時に有効だと思います。

 芹澤 上体が突っ込むだけではなく、ダウンブローやアッパーブローが強くなっている人にも効果的です。ある意味、スイングプレーンも良くなるし、ヘッドスピードも上がるドリルと言っていいでしょう。

 (取材協力・チームセリザワゴルフアカデミー)

 ◆芹澤 信雄(せりざわ・のぶお)1959年(昭34)11月10日、静岡県御殿場市生まれの63歳。公式戦の96年日本マッチプレーなどツアー通算5勝。指導者として高い評価を受け太平洋クラブ御殿場コース内で「チームセリザワゴルフアカデミー」を運営。門下生に藤田寛之、宮本勝昌、西山ゆかり、林菜乃子らがいる。2022年から日本プロゴルフ協会の副会長も務める。TSI所属。

 ◆林 菜乃子(はやし・なのこ)1997年(平8)5月17日生まれ、神奈川県出身の25歳。6歳でゴルフを始めクラーク記念国際高3年時に神奈川県アマ、関東高校選手権4位。18年プロテスト合格。20~21年に6試合でベスト10に入りメルセデス・ランキングで52位と飛躍。昨季は同ランク57位。ツアー自己最高位は6位。ユピテル所属。

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