【玉ノ井親方 視点】よく見て取る“横綱スタイル”見せた貴景勝

[ 2023年1月23日 04:45 ]

大相撲初場所 千秋楽 ( 2023年1月22日    両国国技館 )

琴勝峰(左)をすくい投げで下す貴景勝(撮影・藤山 由理)
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 誰が優勝しても不思議ではなかった戦国場所を貴景勝がしっかりと締めた。千秋楽の一番は完勝。立ち合いの当たりは五分だったが、その後の攻めが速かった。流れの中で左が入るとすぐにすくい投げた。左差しは狙っていたわけではないと思うが、足がよく前に出ていたので琴勝峰が防戦一方になった。

 一人大関の責任を果たし、これで来場所は綱獲りだ。照ノ富士がどんな形で戻ってくるかは分からないが、周囲のマークも厳しくなり、簡単にはいかないだろう。ただ、今場所はむやみに前に出る相撲だけではなく、相手を正面に置いてよく見て取るスタイルで勝ち星を重ねた。横綱になるにはそうした取り口の幅を身につけることも必要だ。

 琴勝峰はやはり硬さがあった。だがやれることはやったと思う。彼が大関と最後まで優勝を争ったことで、上位力士にも火がついたはずだ。来場所の楽しみがさらに増えた。(元大関・栃東)

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2023年1月23日のニュース