絶望論ささやかれる30年札幌五輪招致 JOCと市が「宣誓文」公表、逆風打破へ躍起も…

[ 2022年9月8日 17:15 ]

署名するJOCの山下会長(手前)と秋元札幌市長(C)アフロスポーツ/JOC
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 東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件を受け、30年五輪招致を目指す札幌市と日本オリンピック委員会(JOC)は8日、透明性と公正性確保の決意を示す「宣誓文」を公表した。

 札幌市でこの日に行われた「プロモーション委員会」で、秋元克広市長とJOCの山下泰裕会長が宣誓文を発表。札幌招致が実現した際は大会組織委員会の規模や役員選考について検討し、利益相反取引の管理体制の整備、広告代理店の役割をどう考えるかも検討するとした。

 昨夏の夢舞台を巡る汚職事件は広がりを見せ、「招致自体もうできないのではないか。この状況ではスポンサーなんて集まらない」と絶望視する招致関係者もいる。異例の「宣誓文」を公表したものの、逆風を打破するには厳しい状況。JOCの山下会長は「可能性のある限り、多くの方の支持を得られるように、最後まで努力していく」と語ったが、肝心の機運醸成のための具体策はない。

 30年冬季五輪の開催都市は国際オリンピック委員会(IOC)が年内に候補地を絞り込み、23年5~6月の総会で正式決定する見通し。札幌は一時、本命視されていたが、もはや風前の灯だ。

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2022年9月8日のニュース