池村 二人三脚完全V!恋人キャディーの手料理で「初代王者」通算23アンダー、ツアー2勝目

[ 2022年6月13日 05:30 ]

男子ゴルフツアー ASOチャレンジド最終日 ( 2022年6月12日    福岡県 麻生飯塚GC=6809ヤード、パー72 )

優勝を決め、坂口キャディーと抱き合う池村
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 初日から首位を走り続けた池村寛世(26=ディライトワークス)が1イーグル、5バーディー、3ボギーの68で回り、通算23アンダーで完全優勝を達成した。後半は3ボギーと苦しむも終盤17番のバーディーで頭一つ抜け出し、逃げ切った。逆転で制した昨年10月の「ISPSハンダ・ガツーンと飛ばせ」以来のツアー2勝目で新規大会の初代王者となった。

 絶対にカップは見ないと決めていた。最終18番のウイニングパットは1・5メートルのフックライン。池村は「打った瞬間、頭を残そうと思った」。後半に入ると顔が上がり、右肩が前に出て左に外すパットが続いた。一時は6打差も、外せばプレーオフの一打。最後の最後で運命のパットを沈めた。「しんどかったぁ~」。優勝の瞬間、それが偽らざる本音だった。

 初日から首位に立ち続けての完全V。原動力には迷わずキャディーで交際4年目の坂口琴音さんを挙げた。婚約者とも報じられたが、実は「プロポーズされてません」と坂口さんは笑う。それでも今週はキッチン付きの部屋を借り、手料理を振る舞った。前夜は「前半で突き放そう」と作戦も立てた。まさに内助の功だった。

 ティーショットでも「直ドラ」を多用する池村は今週、新たに「COTOMO」と2人の名を刻んだ62度ウエッジを導入した。距離はないが、グリーン周りを中心に癖の強いコースを多彩なアプローチで攻略。前週メジャーを制し、ライバルと意識する同学年の比嘉一貴に続いた。今季、優勝の日本人全員が1メートル70未満という珍記録も継続させた。

 逆転で初優勝した昨年10月もキャディーは坂口さん、最終日が今回と同じ時松、大西と同組という巡り合わせも予感めいていた。大会初日に自身と相性の良い神社を調べ、お参りした竈門(かまど)神社(福岡県太宰府市)のお守り「超守」は誇らしげに坂口さんの担ぐバッグで揺れていた。貫いた攻め。池村は「御利益がありましたね」と笑った。今後も愛のタッグは続く。

 ◇池村 寛世(いけむら・ともよ)1995年(平7)8月30日生まれ、鹿児島県出身の26歳。10歳の時、父の影響でゴルフを始める。尚志館高1年の11年に国体個人で優勝。12年にオーストラリア留学を経験し、帰国後に高校を中退。13年にプロ転向し、昨年10月、ツアー初優勝。ツアー屈指の飛ばし屋で芋焼酎「魔王」の原料となるサツマイモ「紅はるか」を生産する農家の長男。1メートル66、72キロ。

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2022年6月13日のニュース