山下一貴 アジア大会の日本代表に初選出「金メダルを獲得できるように頑張りたい」

[ 2022年5月11日 09:43 ]

男子マラソン日本代表に選出された山下一貴(左)
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 三菱重工マラソン部所属で長崎県出身の山下一貴(いちたか・24)が中国・杭州で開催予定の夏季アジア大会の男子マラソン日本代表に選出された。大会は、新型コロナの影響で今年9月の開催を延期。来年の開催が有力だ。2月に「大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会」で自己ベストを更新する2時間07分42秒を記録したホープに、意気込みを聞いた。

 2度目のフルマラソンで見せ場十分の走りを見せた。2月の「大阪マラソン・びわ湖毎日マラソン統合大会」では35キロ付近まで先頭争いを繰り広げ、最後まで粘りの走りで自己ベストを28秒更新して2位になった。23年のMGC(マラソングランドチャンピオンシップ、24年パリ五輪選考会)の出場権も獲得。アジア大会の日本代表にも初選出され「ほっとしました」と話した。

 三菱重工はアジア大会に3大会連続で日本代表を輩出した。前回大会ではチームの先輩で同郷の井上大仁が金メダルを獲得。9月に開催予定だった大会は、6日に新型コロナ下の影響で延期が発表されたが「タイム以上に勝つことを意識し、金メダルを獲得できるように頑張りたい」と語った。

 長崎県出身。瓊浦(けいほ)高校では3年時に全国高校駅伝に出場した。卒業後は就職を考えていたが、2年時の担任に「就職ではなく、走りで上を目指さなくていいのか?」と言われたことがきっかけとなり、駒大に進学。2年時から3年連続で各校のエースランナーがそろう“華の2区”を駆け抜けた。

 三菱重工では昨年2月のびわ湖毎日マラソンで初マラソンに挑戦し、2時間8分10秒をマーク。藤原正和(現中央大学陸上競技部監督)が2003年に記録した従来の初マラソン日本記録を上回った。2度目のレースでも自己ベストを更新し、順調にステップアップしている。

 山下は好走の要因を3つ挙げた。(1)駒大で大八木監督のもと、長距離を走る土台をつくり上げたこと。(2)チームに長距離育成のノウハウができあがっていること。三菱重工の黒木監督からは過去の先輩の記録を例に、言葉をかけられる。(3)先輩やコーチにアドバイスが聞ける環境だ。この3つは「自分にとっては大きいです」と話した。

 24年には、入社した際に黒木監督から「最大の目標にしてやっていこう」と声をかけられたパリ五輪がある。「今もそういう思いです」と力を込めた。

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2022年5月11日のニュース